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新興企業の設計コンテスト開催へ、賞品は「Arm IP」「初めの一歩」を後押し(1/2 ページ)

Silicon Catalystは、Armの協力を得て世界規模のSoC設計コンテスト「Silicon Startups Contest」を開催する。受賞者には、15万米ドル相当のArm IPクレジットや、Armのスタートアップ向けプログラムへのフルアクセス権が授与されるという。

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 半導体スタートアップの推進に力を入れているインキュベーターSilicon Catalystは、Armとの協業により、世界規模のコンテスト「Silicon Startups Contest」を発表した。受賞者には、15万米ドル相当のArm IP(Intellectual Property)クレジットが授与される他、Armの幅広いパートナーエコシステムへの参加機会や、Silicon Catalystのエンジェル投資家ネットワークへの売り込みのチャンスなどが提供されるという。

 コンテストは、Silicon Catalystが企画/運営し、ArmプロセッサIPを使用したSoC(System on Chip)設計開発を手掛ける初期段階の起業家チームを対象として、2023年6月23日まで申し込みを受け付けるという。2023年7月初旬には、優勝企業と準優勝企業2社を発表する予定だとしている。

Silicon Catalystの英国のマネージングパートナーであるSean Redmond氏
Silicon Catalystの英国のマネージングパートナーであるSean Redmond氏

 Silicon Catalystの英国のマネージングパートナーであるSean Redmond氏は、米国EE Timesの取材に応じ、コンテストとパートナーシップの背景にある論理的根拠について説明する中で、「半導体業界にとって、このようなコンテストを開催するには絶好のタイミングだ。SoC分野のチャンスが劇的に増大している現在、より多くのチャンスを提供することで、興味深いスタートアップを見つけ出すためのサポートを提供していきたい。Armは、こうした取り組みにとてもうまく対応してくれる」と述べる。

 半導体業界は、初期段階のスタートアップの起業家精神やイノベーションが、革新的な製品や技術ソリューションの次なる波を引き起こすことによって、大きな影響を受ける。しかし、こうしたスタートアップが直面する共通の障壁となっているのが、実行可能なアイデアを市場に投入するために必要な時間や資金、人材などである。このため、“silicon renaissance(シリコンルネサンス)”とも呼ばれる現在の状況に対応すべく、こうしたコンテストを開催し、優れたアイデアをサポートして最初のハードルを突破していくことは、確実に前向きな一歩だといえる。

Armのスタートアップ向けプログラムにフルアクセスが可能

 優勝したスタートアップには15万米ドルのArm IPクレジットが提供される他、優勝企業と準優勝企業2社には「Arm Flexible Access for Startups」プログラムへのアクセスが提供され、SoC設計ポートフォリオに無償でフルアクセスすることが可能になるという。例えば、プロセッサ「Cortex」や、GPU「Mali」の他、「Corstone」参照システム、システムIP「CoreLink」/「CoreSight」、無償のツールトレーニング、チーム強化サポート、Armの熟練サポートチームによる無償のArm設計チェックインレビュー、英国ケンブリッジで2023年夏に開催される招待者限定のArmエコシステムイベントへの参加などが挙げられる。

 特に、Armエコシステムイベントへの参加は、Armの幅広いシリコンポートフォリオや機器メーカー、ソフトウェアパートナーとのつながりを得られる貴重なチャンスとなるだろう。さらに、優勝企業および準優勝企業2社は、Silicon Catalystによる投資家向けピッチレビューや準備支援などを受けられる他、Silicon Catalyst Angelsグループとその投資家シンジケートネットワークなどへのプレゼンを行うチャンスも得られる。

 Redmond氏は、「Armは、スタートアップの設計を見直してアドバイスを提供したり、チームの決断に対して疑問を提示したりすることができるなど、優れた能力を持つ。また、細部にわたり高いレベルの注意を払うことができる。これは双方にとって、非常にエキサイティングな分野だ。半導体業界にとっても素晴らしいことであり、スタートアップはこのプロセスを通して多くを学ぶことができる」と述べている。

 Armでシニアバイスプレジデント兼IoTラインオブビジネス(LOB)部門担当ゼネラルマネジャーを務めるPaul Williamson氏は、EE Timesのインタビューに応じ、「このコンテストは、半導体業界のイノベーションをさらに推進していくという当社の使命に合致している」と述べる。

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