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研究開発の全機能を岡山に、オムロンの電子部品戦略開発リードタイム「従来の半分に」(1/5 ページ)

オムロンが電子部品事業の研究開発体制を刷新した。同社は全国6カ所にあった研究開発拠点を岡山事業所(岡山市中区)に集約。この研究開発体制刷新によって、「開発リードタイムを2分の1以下にする」としている。

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 オムロンが電子部品事業の研究開発体制を刷新した。同社は2022年12月、それまで全国6カ所に点在していた研究開発拠点を岡山事業所(岡山市中区)に集約、現在、同事業所内の延べ約9000m2の建屋に、電子部品事業の研究開発部隊である総勢約300人が集結し、新製品の創出/市場投入を加速している。2023年6月に同所で行われた電子部品事業の戦略説明会では、同社執行役員常務 デバイス&モジュールソリューションズカンパニー社長の江崎雅彦氏が、研究開発体制の刷新によって、「開発リードタイムを2分の1以下にする」と目標を述べた。

2022年度は過去最高の売り上げを達成

 オムロンの電子部品事業は、全社の売上高(2022年度実績:8761億円)の約16%を占めていて、リレーやスイッチ、コネクター、センサーなど、電気/電気信号を”繋ぐ(つなぐ)・切る”技術をコア技術として展開している。なお、2022年度の売上高を商品別割合をみると、リレーが50%を占め、その後スイッチ(24%)、センサー/モジュール(20%)、コネクター(6%)と続いている。

オムロン執行役員常務 デバイス&モジュールソリューションズカンパニー社長の江崎雅彦氏
オムロン執行役員常務 デバイス&モジュールソリューションズカンパニー社長の江崎雅彦氏

 2022年度の同社電子部品事業の売上高は、前年度比14.8%増の1389億円と過去最高を達成している。2017〜2020年度までの前中期経営計画(中計)での構造改革によって強化した事業基盤をベースとし、供給力/顧客の拡大を進めたことが奏功したという。江崎氏は、「特にDC機器を中心に、われわれの狙ったところに新商品を投入するとともに顧客を広げて、この数字に貢献できた」と述べていた。

オムロン電子部品事業の2022年度業績[クリックで拡大]
オムロン電子部品事業の2022年度業績[クリックで拡大]

 一方、2023年度は世界経済の停滞から上期を中心に不透明な状況が続くことを見込み、売上高は前年度からほぼ横ばいの1390億円を計画。江崎氏は、「景気の谷間にあっても社会課題解決のための価値を提供することで、成長を続けることができる。前年度築き上げてきた顧客拡大をさらに加速するとともに、新商品リリースによって事業戦略を達成していく」と述べていた。

 同社事業では、2030年をターゲットとした長期ビジョン(SF2030)として、「我々の“繋ぐ・切る”技術を軸に、顧客と共に社会課題を解決する事業へ」を掲げている。このビジョンでは、DCドライブ機器、DCインフラ機器、高周波機器、遠隔/VR(仮想現実)機器の4つを注力ドメインとし、「カーボンニュートラルの実現」「デジタル化社会の実現」という2つの社会課題解決に向け新たなソリューションの提供を進めていく方針。ここでは「Green」「Digital」「Speed」の3つの観点から新たな価値を提供していく。

オムロン電子部品事業の長期ビジョン[クリックで拡大]
オムロン電子部品事業の長期ビジョン[クリックで拡大]

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