研究開発の全機能を岡山に、オムロンの電子部品戦略:開発リードタイム「従来の半分に」(2/5 ページ)
オムロンが電子部品事業の研究開発体制を刷新した。同社は全国6カ所にあった研究開発拠点を岡山事業所(岡山市中区)に集約。この研究開発体制刷新によって、「開発リードタイムを2分の1以下にする」としている。
注力4ドメインの売上高、前年度比108%に
同社はSF2030に向け、2023年度は特に、「注力4ドメインの拡大/強化」「新たな価値提供による基盤ビジネスの強化」そして「収益構造の強化」3つを重点取り組みとして事業を展開していく。
注力4ドメインの拡大/強化では、4ドメインの売上高を前年度比108%とすることを目標に掲げる。製品/インフラ機器の直流(DC)化が進み、その中で電動化、さらには太陽光発電の高容量/大容量化などが加速する社会の変化に向け、直流化で高まる感電/災害リスクに対応する製品を展開するとしている。また、5G(第5世代移動通信)やその先の6G(第6世代移動通信)をはじめとした高速通信技術によって高周波化および高速/大容量化も加速していくことが見込まれるが、同社は、対応機器の安定稼働やリモートでのリアル性向上に向けた製品/技術を提供していく方針だ。
江崎氏は説明会において、特にDCインフラ機器の事業機会について強調。環境負荷対応によるクリーンエネルギー普及が加速する中、「さらに高機能化を目指す商品/技術が求められている」といい、同社のセンサー群や高容量リレーを軸に展開拡大するとした。
江崎氏は、「われわれの強みである、“繋ぐ・切る”技術を用い、いち早く市場のキーとなるデバイスを創出していきたい。さらに、顧客とコラボレーションしながらいち早く市場に供給していく」と語った。
収益構造の強化については、生産/外観検査/梱包箱組み立て/工程搬送などの自動化および設備故障予兆の可視化などによる高効率生産を加速し、グローバル展開する。また、深夜時間帯の無人化生産などによって労働者不足にも対応。2023年度の売り上げ総利益率が、前年度比0.9ポイント増となることを目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.