自動車を襲う「カーボンニュートラル」の厳しい要求:福田昭のデバイス通信(406) 2022年度版実装技術ロードマップ(30)(1/2 ページ)
今回からは第2章第5節(2.5)「モビリティー」の概要を説明する。第5節は、「自動運転・遠隔操作」「電動化技術」を含む5つの項目から構成されている。
自動運転、遠隔操作、電動化技術、ノイズ対策が主要なテーマ
電子情報技術産業協会(JEITA)が3年ぶりに実装技術ロードマップを更新し、「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)を2022年7月に発行した。本コラムではロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会の協力を得て、ロードマップの概要を本コラムの第377回からシリーズで紹介している。
前回までは、第2章第4節(2.4)「情報通信」の概要を解説してきた。今回からは第2章第5節(2.5)「モビリティー」の概要をご説明していく。第2章第5節(2.5)「モビリティー」は、第1項(2.5.1)「はじめに」、第2項(2.5.2)「自動運転・遠隔操作」、第3項(2.5.3)「電動化技術」、第4項(2.5.4)「EMC・ノイズ対策」、第5項(2.5.5)「日本のモビリティー産業界への提言」で構成される。
電動化の要素技術とEMC・ノイズ対策を新たに記述
前回版の実装技術ロードマップである「2019年度版」でも、「モビリティー」は第2章(注目される市場)のテーマだった(参考記事:「100年に1度の大変革期を迎えたモビリティー産業」)。前回版と今回版(2022年度版)の主な違いは、「1.はじめに」が「CASE」から「カーボンニュートラル」へとまったく異なる内容に変わったこと、前回版の「2.自動運転化」と「3.コネクテッド化」を統合して「2.自動運転と遠隔操作」にまとめたこと、前回版の「4電動化」を「3.電動化技術」としてインバーター技術や充電技術などの技術面の記述を中心としたこと、新しく「5.EMC・ノイズ対策」を設けたこと、などである。
「モビリティー」の構成。左が2019年度版(前回)、中央が2022年度版(今回)、右が主な変化[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(2022年7月7日に開催された完成報告会のスライド)
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