自動車を襲う「カーボンニュートラル」の厳しい要求:福田昭のデバイス通信(406) 2022年度版実装技術ロードマップ(30)(2/2 ページ)
今回からは第2章第5節(2.5)「モビリティー」の概要を説明する。第5節は、「自動運転・遠隔操作」「電動化技術」を含む5つの項目から構成されている。
複雑化する電動自動車の分類と略語を定義
電動自動車(電動車)の分類には、英字略語を使うことが多い。最近では分類項目の増加により、複雑かつ難解になりつつある。そこで分類と定義を改めて示すことにする。
分類を定義する軸は大きく2つあり、1つは自動車の駆動方式による分類である。この分類手法は、かなり普及している。いわゆる「ハイブリッド車(内燃機関とモーターで駆動)」「電気自動車(モーターのみで駆動)」、そして従来存在する「ガソリン車(ガソリンを燃料とする内燃機関で駆動)」「ディーゼル車(軽油を燃料とする内燃機関で駆動)」などである。
もう1つは外部から自動車を見たときの分類である。こちらの定義はやや分かりにくい。「ゼロエミッション自動車(ゼロエミッション車(ZEV))」「新エネルギー車(NEV)」といった分類である。
「ゼロエミッション自動車(ゼロエミッション車)」という分類は、カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出と吸収を差し引きするとゼロになる状態)を実現するための排ガス規制という観点から、よく使われる。二次電池または燃料電池を使う電動車が含まれる。なお、ハイブリッド車(HEV)はゼロエミッション車には含まれない。
「新エネルギー車」とは、中国政府が定義した「従来燃料以外の動力源を備える自動車」を指すことが多い。二次電池を動力源とする電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(二次電池と従来燃料の両方を動力源とする自動車:PHEV)、燃料電池を動力源とする電気自動車(FCEV)が含まれる。「新エネルギー車(NEV)」は、中国政府が自動車取得税免除やナンバー取得費用軽減(地域による)などの優遇措置を講じている(時限措置、最近になって2027年末に期限が延長された)。
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