産業の融合による課題には「プラットフォーム」が効く:ADI+Linear+Maximの“総力戦”(1/2 ページ)
車載向け半導体では、電動化などのトレンドにより、「複数の産業の融合による新たな課題」が生まれているという。Analog Devicesは、新たな課題に柔軟に対応できるよう、「プラットフォーム」戦略を掲げる。
Analog Devices(ADI)にとって、自動車は、産業機器や通信、ヘルスケアなどに並ぶ注力分野の一つだ。2022年度(2022年10月期)のオートモーティブ分野の売上高は25億1551万米ドルで、全社売上高120億1395万米ドルの21%を占めている。
ADIのAutomotive Electrification & Sustainable EnergyでCorporate VP & GMを務めるPatrick Morgan氏は、「自動車市場がCASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)のメガトレンドで成長する中、電力インフラと自動車など、複数の産業が融合するようになってきた」と指摘する。そうした融合により、技術的な課題や、システムに対する要件が以前よりも複雑に絡み合い、設計者が抱える課題の解決も難しくなっているとの見解を示した。
「例えば、電力インフラ側では、EV(電気自動車)を常に安定的に充電できるよう、より堅ろうな電力網の構築が要求される。EVなどのモビリティ側でも、(1度の充電で)より長い航続距離を実現できる技術などが必要になる」(Morgan氏)
こうした中で、ADIが注力しているのが、車載向けプラットフォームの構築だ。「フィジカル(現実世界)とデジタルをつなぎ、インテリジェントエッジ*)を実現するソリューションを提供することが、われわれの戦略だ。そのために必要なのが、プラットフォームである」とMorgan氏は強調する。
*)インテリジェントエッジ:データが生成される場所で、データを分析/処理する
プラットフォームでは、産業の融合によって生まれる新しい課題に柔軟に対応できるよう、ADIの製品群を組み合わせる。自動車の電動化であれば、電力インフラからのエネルギーを貯蔵し、変換し、管理することが必要になる。「ADIは、それぞれに必要な技術/製品を組み合わせ、プラットフォームを提供できる」(Morgan氏)
「センサー、アナログIC、パワーなどのチップのみならず、クラウド、データ分析から得られる知見なども含む。プラットフォームの中身は、ニーズに合わせて、チップからソフトウェアまで柔軟に変更する」(Morgan氏)
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