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ソシオネクスト、2023年度1Qは増収増益7nm以細の量産本格化(1/2 ページ)

ソシオネクストの2023年度第1四半期(2023年4〜6月)業績は売上高が前年同期比53.9%増の614億円、営業利益は同80.7%増の101億円、純利益は同57.2%増の80億円で増収増益となった。

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売上高53.9%増、営業利益80.7%増で増収増益

 ソシオネクストは2023年7月28日、2023年度第1四半期(2023年4〜6月)の決算説明会を行った。第1四半期の売上高は前年同期比53.9%増の614億円、営業利益は同80.7%増の101億円、純利益は同57.2%増の80億円で増収増益となった。同社取締役兼執行役員常務の米山優氏は、「2019年以降に獲得した大型商談の量産本格化によって売上高が着実に増加している」と述べた。中国の一部顧客における短期的な「特需」も売り上げ増に貢献した。

 2023年度第1四半期業績を詳しく見ると、2019年度以降に獲得した7nm以細のデータセンター/ネットワークおよび自動車分野向けカスタムSoC(System on Chip)の量産が本格化し、製品の売り上げ数量が増加。さらに、中国のデータセンター/ネットワーク向けの特需が継続したほか、円安の好影響もあり、製品売り上げは前年同期比219億円増(このうち為替影響はプラス25億円)の529億円となった。設計開発段階に顧客から対価として受け取る売り上げである「NRE売り上げ(Non-Recurring Engineering)」についても、「先端テクノロジー分野の大型商談獲得に伴い増加基調にある」ことから、前四半期比並み(前年同期比4億円減、為替影響プラス4億円を含む)の84億円となった。

2023年度第1四半期業績四半期ごとの売上高および営業利益の推移 左=2023年度第1四半期業績/右=四半期ごとの売上高および営業利益の推移[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト

 営業利益は前年同期比80.7%の大幅増となった。この増加の主な要因として同社は、特需を含む製品売り上げ拡大のほか、製品ミックス改善、円安による為替影響を挙げている。製品ミックスの改善について、米山氏は、「7nm品は最先端ではなくなりつつあり、歩留まり改善などによってコストが低下してきた」と説明している。

 第1四半期業績を前四半期と比較すると、製品売り上げで64億円増(うち為替影響がプラス16億円)、NRE売り上げが11億円増(うち為替影響がプラス3億円)とそれぞれ増加し、売上高は前四半期比75億円増となった。営業利益も売り上げ増や為替影響に加え、研究開発費/販管費減があり、同51億円増となった。

2023年度第1四半期業績を前年同期比でみた詳細2023年度第1四半期業績を前四半期比でみた詳細 左=2023年度第1四半期業績を前年同期比でみた詳細/右=2023年度第1四半期業績を前四半期比でみた詳細[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト

 バランスシートを見ると、総資産は前年度末(2023年3月末)比99億円減の1840億円となった。減少の主な要因は、法人税/配当金支払いによる預貯金の減少のほか、顧客の要望で先行手配/調達していたウエハーの在庫減少による多直利資産減だと説明している。なお、この在庫は2022年度下半期にピークを迎え、通常の水準に向け、2023年度を通じて減少する傾向にあるという。

 設備投資については、新規商談増加に伴い製品開発のためのレチクル(半導体製造の露光工程で使用され、設計した回路をシリコンウエハーに転写するためのフォトマスク)などの取得および、開発規模拡大に伴うデータセンターの増強を実施し、投資額が増加している。

バランスシート設備投資と減価償却費およびキャッシュフロー 左=バランスシート/右=設備投資と減価償却費およびキャッシュフロー[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト

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