HDD大手Seagateの四半期業績、6期連続で前期比の売上高が減少:福田昭のストレージ通信(253)(1/2 ページ)
米Seagate Technologyの2023会計年度第4四半期(2023年4月〜6月期)の業績を報告する。
GAAPベースの営業損益が3期ぶりに黒字化
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2023年7月26日、WDが同年7月31日である。そこで今回と次回は、Seagate(今回)とWD(次回)の四半期業績を続けてご報告する。
Seagateの会計期間は7月から始まり、6月を決算月とする。7月26日に同社が発表したのは2023年4月〜6月期の四半期業績で、会計年度では「2023会計年度第4四半期(Q4FY23)」となる。
2023会計年度第4四半期(2023年4月〜6月期)の売上高は前四半期(前期)比13.9%減、前年同期比39.4%減の16億200万米ドルである。前期比は6四半期連続の減少、前年同期比は5四半期連続の減少となった。
概況としては、既存(レガシー)HDD製品の需要がミッションクリチカル向けで強く、前期比で販売が8%増加した。一方、大容量(マスキャパシティ)HDD製品の需要は芳しくない。非HDD(システム・ソリューションとSSD)製品はエンタープライズ向けの要求が弱く、前期比の売り上げは15%減となった。
営業損益にはNon-GAAPベースとGAAPベースがある。今期はわずかながら、いずれも黒字だった。Non-GAAPベースの営業利益は5500万米ドルである。前四半期(前期)比15.4%減、前年同期比87.0%減とかなり厳しい。粗利益率は19.5%で、前期(前四半期)から0.8ポイント上昇した。売上高営業利益率は3.4%で、前期から0.1ポイント低下した。
GAAPベースの営業利益は2600万米ドルである。3四半期ぶりの黒字となった。粗利益率は19.0%で、前期(前四半期)から0.3ポイント増加した。売上高営業利益率は1.6%である。前期はマイナス16.9%だった。
Seagate Technologyの四半期業績の推移(売上高と営業利益(GAAPベース))。同社の公表資料から筆者がまとめたもの。なお、営業利益はGAAPベースなので本文の数値(Non-GAAPベース)とは一部が異なる[クリックで拡大]
HDD製品とSSD製品はともに売上高が前期比で約15%減に
Seagateは製品別の売上高を、「HDD製品」と「その他(SSDやシステム・ソリューションなど)の製品」に分けて公表してきた。売り上げのほとんどを占めるのは、「HDD製品」である。「HDD製品」の売り上げは前四半期(前期)比14%減、前年同期比43%減の13億8500万米ドルとなった。「その他(システム・ソリューションやSSD製品など)の製品」の売り上げは、前四半期(前期)比15%減、前年同期比では横ばいの2億1800万米ドルである。
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