HDD大手Seagateの四半期業績、6期連続で前期比の売上高が減少:福田昭のストレージ通信(253)(2/2 ページ)
米Seagate Technologyの2023会計年度第4四半期(2023年4月〜6月期)の業績を報告する。
出荷容量は大容量品が大きく落ち込み、既存品品が持ち直す
Seagateは、HDDの総出荷記憶容量と1台当たりの記憶容量(平均記憶容量)を製品分野別に公表してきた。製品分野には「大容量品(マスキャパシティ品)」と「既存品(レガシー品)」の2つがある。マスキャパシティ品には、ニアラインHDD、画像データ(VIA:video and image applications)用HDD、NAS(Network Attached Storage)などが含まれる。レガシー品にはミッションクリチカルHDD、デスクトップPC用HDD、ノートPC用HDD、デジタルビデオ録画用HDD、ゲームコンソール用HDDなどが含まれる。
マスキャパシティ品の総出荷記憶容量は、前四半期(前期)比28%減、前年同期比46%減の75.2EB(エクサバイト:1018バイト)となった。マスキャパシティ品の大半を占めるニアラインHDDの総出荷記憶容量は、前四半期(前期)比37%減、前年同期比54%減の54.7EBと大幅な落ち込みとなった。
マスキャパシティ品の平均記憶容量(1台当たりの記憶容量)は前の四半期から26%減少して9.6TB(テラバイト)となった。過去最大を記録した前期(前四半期)の13.0TBから、3.4TBも縮小した。マスキャパシティ品の売上高は約10億米ドルで、前期の約12億米ドルから減少した。HDD全体の売上高に占めるマスキャパシティ品の割合は前の四半期と比べて6ポイント低下し、71%となった。
レガシー品の総出荷記憶容量は、2023会計年度第4四半期(2023年4月〜6月期)に前四半期(前期)比9%増、前年同期比1%減の16.0EBである。レガシー品の平均記憶容量(1台当たりの記憶容量)は前四半期(前期)比10%増、前年同期比21%増の2.5TBと拡大した。
HDD全体の総出荷記憶容量は前四半期(前期)比23%減、前年同期比41%減の91.2EBである。HDD全体の平均記憶容量は前期から1.8TB減少し、6.4TBとなった。
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