JDI決算は赤字継続、技術開発で再起図る:2025年度の黒字化目指す(1/2 ページ)
ジャパンディスプレイの2023年度第1四半期業績は、売上高が前年同期比7%減の530億円。営業損益が同70億円減で139億円の赤字、純損益が同72億円減で122億円の赤字となった。「eLEAP」などの独自技術開発で黒字化を目指す。
ジャパンディスプレイ(JDI)は2023年8月9日、2024年3月期(2023年度)第1四半期(2023年4〜6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比7%減の530億円。営業損益は同70億円減で139億円の赤字、純損益は同72億円減で122億円の赤字となった。撤退に向けて戦略的縮小を進めるモバイル分野の大幅減収のほか、部材/エネルギー費の拡大などが響いた。同社は、「eLEAP」や「HMO」などの独自技術開発で黒字化を目指すとしている。
前年同期比で赤字拡大、期初計画上回るも
業績についてはJDIのCFO(最高財務責任者)を務める坂口陽彦氏が説明を行った。第1四半期は、売上高、営業損益、純損益のいずれも期初の計画を上回る結果となったものの、依然として赤字が続いている。
業績を詳しく見ると、売上高については、前年同期比では7%減少したものの、期初計画を7%上回る結果となった。従来から戦略的な成長事業として位置付けていた車載およびノンモバイルのコア事業で、前年同期比で9%増加した。一方、ノンコア事業と位置づけるスマートフォン関連のLCD(液晶)事業(モバイル分野)では、撤退に向けて戦略的縮小を進めていることから、前年同期比で49%減少した。
営業損益については、赤字が前年同期比で70億円拡大したものの、期初計画を28億円上回った。利益の圧迫要因としては、売上高の減少のほか、部材/エネルギー費の高騰および、インフレや経済成長鈍化といった市場環境の厳しさを挙げている。一方、東浦工場(愛知県知多郡)での生産終了や茂原工場(千葉県茂原市)の生産縮小など、継続的な固定費の削減で吸収に努めているという。ノンコア事業の戦略的撤退などによる製品ミックスの改善もあり、前四半期比でみると、赤字幅は81億円縮小している。
通期の業績予想については前回(2023年5月)発表の内容を据え置いた。売上高はスマホ向けLCD事業の縮小/撤退の影響から、2022年度(2023年3月期)比で減少すると予想。通期でも赤字が続くという見立てだが、若干の改善傾向にあるとした。また、下期から営業損失の回復が加速すると見ており、「不採算事業の撤退や縮小など、出すべき膿は可能な限り上期で出し、収益性の改善を図っていきたい」(坂口氏)とした。
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