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GaNの米中2大プレイヤー、特許係争に発展EPCがInnoscienceを提訴(1/2 ページ)

次世代パワーデバイスの世界でも、知的財産の保護に対する意識が高まっている。米Efficient Power Conversion(EPC)は中国のInnoscienceを特許侵害で提訴した。

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 GaN(窒化ガリウム)ベースのデバイスの需要の高まりとともに、半導体メーカーの知的財産権保護に対する姿勢も強まっている。GaN市場の著名なプレーヤーである米Efficient Power Conversion(EPC)と中国のInnoscienceの特許係争は、これを証明している。

 GaN技術は、パワーエレクトロニクスアプリケーションに革命をもたらしている。より高い周波数で動作し、より高い電力密度に対応し、より優れた性能を提供する能力は、パワーエレクトロニクスやワイヤレス電力伝送、5G(第5世代移動通信)インフラ、電気自動車充電システムにとって非常に重要である。その結果、GaN特許を所有および保護することで、競争上の優位性と大きな市場支配の可能性がもたらされる。

 EPCは2023年5月24日(現地時間)、同社の基本特許ポートフォリオのうち4件の特許に関して、Innoscienceに対する訴状を連邦裁判所および米国国際貿易委員会(ITC)に提出したと発表した。

 ファブレス半導体メーカーであるEPCは2007年に設立され、GaNベースの電力変換ソリューションの最前線に立ってきた。米国カリフォルニア州エルセグンドに拠点を置く同社は、GaN関連特許の強力なポートフォリオを有し、業界で高い評価を得ている。EPCの特許は、トランジスタの設計や製造技術、デバイスの統合など、GaN技術のさまざまな側面をカバーしている。

 EPCは2010年に、初の商用エンハンスメントモードGaNパワーデバイスを開発し、ファウンドリーを利用してGaNベースのデバイスを量産している。中国と日本、韓国、台湾、米国で供与された特許を含む包括的なIPポートフォリオを構築しており、米国特許57件とその他の特許172件を保有している。

EPCの元従業員を雇用したInnoscience

 EPCの訴状によると、InnoscienceはEPCの元従業員2人を雇用し、最高技術責任者(CTO)と販売マーケティング責任者に任命したという。Innoscienceはその後、EPCの製品に酷似した一連の製品を市場投入し、EPC製品と同様の性能を備えると主張しているという。

 さらに、Innoscienceは最近、「当社製品の多くは、EPCが開発した製品を含む既存の製品と端子互換性がある」と主張している。

 EPCはInnoscienceを特許侵害で連邦裁判所とITCに提訴することで、損害賠償を求めている。EPCはまた、Innoscienceが侵害しているGaN製品を米国に輸入するのを阻止したいと考えている。

 中国に拠点を置くInnoscienceは、GaN業界では比較的新しいプレイヤーである。2015年の設立以来、GaN技術に焦点を絞り、8インチの統合デバイスの最大手メーカーとなっている。同社は月間1万枚のウエハーを生産しているが、7万枚超を目標に、生産能力を継続的に増強すると主張している。

 EPCの発表からわずか2日後、Innoscienceは同社サイトに声明を掲載し、GaNの基本特許に関する4件の侵害申し立てには根拠がないと主張した。同社は、自社を守るためにあらゆる法的選択肢を追求すると述べている。

 Innoscienceは、「当社は世界で753件の特許を申請し、129件の特許が承認されている。数人の従業員の転職を根拠とした盗用の主張は不当である」と付け加えた。同社はまた、「知的財産権は明確かつ追跡可能で、侵害はない」と主張している。

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