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ブロードバンド専用の研究施設を公開、古河電工年間50件のデモを実施

古河電気工業は2023年8月31日、製品/サービスの研究開発や顧客との共創の場として設立した「ブロードバンドシステムアプリケーションラボ(平塚)」(神奈川県平塚市)のメディア向け見学会を実施した。

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 古河電気工業は2022年8月31日、同社の「ブロードバンドシステムアプリケーションラボ(平塚)」(神奈川県平塚市/以下、平塚ラボ)のメディア向け見学会を実施した。見学会では、光回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)など数千台の通信機を設置した検証設備室が公開された。

 平塚ラボは、ブロードバンド関連製品の研究開発や通信事業者、各機器メーカーなどの顧客との共創の場として2022年7月に設立された。開設から約1年間で、既に50件ほどのデモンストレーションを実施したという。

ブロードバンドシステムアプリケーションラボ(平塚)同施設内の検証設備室 左=ブロードバンドシステムアプリケーションラボ(平塚)/右=同施設内の検証設備室[クリックで拡大] 出所:古河電気工業

 見学会では、IP(Internet Protocol)方式のテレビ放送を視聴できるようにする受信端末の試作機「ALL IP Set Top Box(2023年度試作機)」を公開した。同試作機は、4K/8K放送を視聴するために必要なACASチップを搭載したもので、地上デジタル放送、BSデジタル放送、高度BSデジタル放送を視聴できる。提供開始は2025年を目指しているという。

 開発の背景について、担当者は「現在のテレビは、放送局やVOD(Video On Demand)から一方通行で情報を受信/視聴するためのインタフェースだ。しかし、今後は、IP放送を使ったビッグデータの収集やデータセンターへの転送など、双方向通信を行うホームネットワークインタフェースになると考え、顧客と共同で開発を進めている」と説明した。

ALL IP Set Top Box(2023年度試作機)
ALL IP Set Top Box(2023年度試作機)[クリックで拡大]

 平塚ラボ設立の効果について、担当者は「平塚ラボの設立により、顧客に製品や研究開発をより身近に感じてもらえるようになった。ブロードバンド製品は、規格が標準化されていて性能の違いによる差別化が難しいため、製品提供前後のオペレーションが重要になる。以前から顧客と共創は行っていたが、新たに平塚ラボを設立したことでブランディングにつながった」と説明した。なお、平塚ラボ単体での売上貢献目標や開発目標については「非公開」だという。

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