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1チップでLCDもLEDバックライトも制御、ローカルディミングを導入しやすくセイコーエプソンが「CEATEC 2023」でデモ(1/2 ページ)

セイコーエプソンは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日)に出展し、車載ディスプレイ向けローカルディミング技術をはじめ、車載用ICなど展示した。

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 セイコーエプソンは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日、幕張メッセ)で、低消費電力技術や液晶駆動技術を用いた車載用ICなどを展示した。具体的には、車載ディスプレイのローカルディミング技術、AR-HUD(拡張現実対応のヘッドアップディスプレイ)専用のコントローラーIC、高いコントラストで表示できるセグメント液晶ドライバーICなどだ。

 ローカルディミングは、ディスプレイのバックライトを複数の領域に分割し、領域ごとにバックライトの明るさを調節するもの。映像の明るさに合わせてバックライトをきめ細かく調整できるので、ディスプレイの視認性の向上や消費電力の削減に効果がある。セイコーエプソンのローカルディミング技術は、将来的に、同社の車載向けLCD(液晶ディスプレイ)コントローラーICに搭載する予定のもの。搭載されれば、1チップでLCD駆動とLEDバックライト制御が行えることになる。「当社の既存のLCDコントローラーICを使っている顧客にとっては、ローカルディミング技術を導入しやすくなるという利点がある」(ブース説明担当者)。LCDコントローラー機能とLEDバックライト制御機能を統合したICは、今後発表される予定だ。

 デモでは、ローカルディミング技術を用いて、クルマのコントロールパネルを調光する様子を示した。調光することで、暗い部分がより暗くなるので、高いコントラストを実現できる。さらに、電圧/電流モニターをコントロールパネルに接続し、ローカルディミング技術を適用することで低消費電力になることを示した。

ローカルディミング技術のデモ。分かりにくいが、ディスプレイのコントラストが変化している。映像の冒頭はバックライトを全灯していて、2秒後あたりで調光している

ローカルディミングによる消費電流の変化。調光(ローカルディミング)前ローカルディミングによる消費電流の変化。調光(ローカルディミング)後 ローカルディミングによる消費電流の変化。左は調光(ローカルディミング)前で、右が調光後。電圧値は同じまま、電流が1.00Aから0.21Aに減少していて、低消費電力になっていることが分かる[クリックで拡大]

ARコンテンツのブレを抑える機能を搭載

 AR-HUD向けのコントローラーIC「S2D13V42」は、自動車のフロントガラスの曲面に合わせて、AR映像の補正を行える。最大1280×720の解像度をサポートする他、ピッチ補正機能を搭載していることも特長だ。AR-HUDでは、前方車両や歩行者などを知らせる目印を表示させることがある。こうした目印は、バンプ上などを走行したことによる車両の揺れで、実際の車両や人物とずれてしまうことがある。ピッチ補正機能はこのような表示のずれ/ぶれを抑制する機能だ。

ピッチ補正機能のデモ。映像が上下に振動しても、前方車両を示すオレンジ色の目印はあまり動いていない

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