ルネサスの23年度3Qは予想比上振れ、自動車向け好調:通期業績は減収予想(1/3 ページ)
ルネサス エレクトロニクスの2023年度第3四半期業績(Non GAAPベース)は、売上高が3794億円(前年同期比2.1%減)、営業利益が1323億円(同105億円減)、営業利益率が34.9%(同2.0ポイント減)、当期純利益が1083億円(同119億円増)となった。なお、売上高は予想比で2.5%増となっている。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2023年10月26日、2023年12月期(2023年度)第3四半期(7〜9月)業績(Non GAAPベース)を発表した。売上高は3794億円(前年同期比2.1%減)、営業利益は1323億円(同105億円減)、営業利益率は34.9%(同2.0ポイント減)、当期純利益は1083億円(同119億円増)となった。なお、為替影響を除いた純利益は1046億円(同108億円減)としている。
内訳をみると自動車向け事業の売上高が前年同期比11.7%増の1763億円、営業利益は同102億円増の599億円、営業利益率は同2.5ポイント増の34.0%だった。一方、産業・インフラ・IoT向け事業は売上高が同11.5%減の2007億円、営業利益が196億円減の719億円、営業利益率が同4.5ポイント減の35.8%となっている。
第3四半期の業績を詳しく見ると、売上高は予想比で2.5%増となっている。この上振れ要因の3分の2は為替の好影響で、その他は、自動車向けが増加したことが中心だ。売上総利益率は、製品ミックスが若干悪化したほか、生産調整の影響で生産回収も悪化。一方、稼働率減による製造費用の減少の他、在庫評価減が想定より少なかったことなどを要因に予想比1.4ポイント増となった。営業費用も予想比で減少し、結果、営業利益率は予想比2.4ポイント増で着地した。
前四半期比でみると、売上高は2.9%増となった。売上総利益率も、製品ミックスが若干悪化したほか、生産調整による稼働率の減少から生産回収も悪化した一方、製造費用などが改善した結果、0.6ポイント増加した。自動車向けを中心に下半期から研究開発(R&D)費用が増加していることから、自動車向け事業の営業利益率は0.9ポイント減となり、全体の営業利益率も0.1ポイント減で着地している。
通期業績、売上高は2.5%減と予想
ルネサスは、2023年度第4四半期および通期業績予想も発表した。売上高は前年同期比8.5%減(為替影響を除いた場合、同8.2%減)、前四半期比5.6%減(為替影響を除いた場合、同6.8%減)の3580億円(±75億円)と減収を予想している。その他、売上総利益率は前年同期比フラットで、前四半期比では1.9ポイント減の56.0%、営業利益率は前年同期比4.2ポイント減、前四半期比4.4ポイント減の30.5%としている。
これによって2023年度通期業績は、売上高が前年度比2.5%減の1兆4658億円(±75億円)、売上総利益率は同0.6ポイント減の56.9%、営業利益率は同3.4ポイント減の33.8%となる見込みだ。
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