「民生から産業へ」、25周年を迎えたBluetoothの新しい活路:将来的には5GHz/6GHz帯対応も(1/2 ページ)
Bluetooth SIGが、1998年9月の設立から25周年を迎えた。ワイヤレスオーディオから普及が始まったBluetooth技術は、今や産業用途でも活用されている。Bluetooth SIGのCMO(最高マーケティング責任者)を務めるKen Kolderup氏は東京で開催された記者説明会で、Bluetooth技術のこれまでを振り返るとともに、今後の進化についても語った。
25周年を迎えたBluetooth SIG
Bluetoothの標準化団体であるBluetooth SIGは2023年、設立されて25周年を迎えた。それに合わせてBluetooth SIGは同年10月16日、都内で記者説明会を開催。CMO(最高マーケティング責任者)を務めるKen Kolderup氏が、Bluetoothの「これまで」と「これから」を語った。
Kolderup氏は説明会の冒頭、「1998年9月の設立当時、25年後にBluetoothがここまで成功しているとは、誰も考えていなかっただろう」と述べた。「1998年、Bluetooth SIGはわずか数社でスタートした。低電力のワイヤレス通信規格を策定しようという、“ささやか”な目標を持っての始まりだった」(同氏)
Kolderup氏は「その後25年を経て、Bluetoothは市場、技術、(Bluetooth SIGという)組織、いずれにおいても大きな変革を遂げた」と続ける。Bluetooth SIGは現在、平均で50以上の仕様策定プロジェクトを実施している。Bluetooth認証プロセスを完了した新製品の数は、2022年だけで7万種類以上に上る。Bluetoothを搭載した製品の年間出荷台数は50億台以上に達するという。
Bluetooth市場の拡大をけん引してきた民生分野
Kolderup氏は、Bluetooth市場の成長をけん引したのは、ワイヤレスオーディオ、ウェアラブル機器やワイヤレスマウスなどのコネクテッドコンシューマーエレクトロニクスだと述べる。
Kolderup氏が「Bluetoothの出発点」と語るのがワイヤレスオーディオだ。イヤフォンやヘッドセット、スピーカーからスマートフォンまで、Bluetoothは標準搭載されている。さらに近年は補聴器への搭載も増えている。同氏によれば、Bluetooth対応のワイヤレスオーディオ機器の出荷台数は、2023年は13億台以上、2027年には16億台以上に達するという。
コネクテッドコンシューマーエレクトロニクスについても、「スポーツ、フィットネス機器など新たな市場も形成されている」(Kolderup氏)と説明する。医療やパーソナルヘルスなどの分野へも活用が広がっていて、2023年には、コネクテッドコンシューマーエレクトロニクス向けのBluetooth対応機器は、16億台以上が出荷される見込みだ。
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