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Mouser、2024年春に新倉庫設立で規模拡大へ:少量多品種の取り扱いで成長(2/2 ページ)
半導体/電子部品のディストリビューターであるMouser Electronicsの日本法人マウザー・ジャパンは記者説明会にて、業績や日本市場の動向について説明した。取り扱い製品の増加を背景に、米テキサス州の本社敷地内で新倉庫の拡張を進め、さらなる売り上げ増を狙う。
「Mouserなら口座がなくても買える」 部品不足が追い風に
日本では、Mouserが日本にオフィスを構えた2015年以来、順調に顧客数と売り上げを伸ばしているという。2015年と2022年を比較すると顧客数は約6倍、売上高は約8倍になった。Mouser 本社副社長 兼 日本総責任者の勝田治氏は、「Mouserは半導体/電子部品の専門商社として日本では後発で、ブランド力が低かったが、コロナ禍に背中を押された」と語った。勝田氏は好調の理由について「国内の大手企業は、口座がないと取引しないところが多い。だがコロナ禍で半導体不足に直面した際、口座がなくてもオンラインで部品を購入できるMouserならではの利点が、大手企業の間で認知されたことが挙げられる」と分析する。
顧客はメーカーのみならず、販売代理店も多いという。大手メーカーから直接製品を購入する場合は最小購入数量が設定されている場合が多いが、Mouserは多品種少量販売を得意としていて、欲しい製品を1個から購入できるためだ。
勝田氏は、Mouserの日本での売り上げが競合他社と比較しても大きく増加していることに触れ、「ようやく他社と同等に戦えるようになった」とした。
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