民生機器向け低迷で23年度3Qは減収減益、ソシオネクスト:通期予想は上方修正(1/2 ページ)
ソシオネクストの2023年度第3四半期(2023年10〜12月)業績は、売上高が前年同期比6.1%減の527億円、営業利益は同47.3%増の93億円、純利益は同4.3%減の50億円で減収減益となった。
ソシオネクストは2024年1月30日、2023年度第3四半期(2023年10〜12月)の決算説明会を行った。売上高は前年同期比6.1%減の527億円、営業利益は同47.3%増の93億円、純利益は同4.3%減の50億円で減収減益となった。
2023年度第3四半期売上高は、為替の好影響はあったものの、民生機器向けなどの製品売り上げの落ち込みから、前年同期比で減収となった。一方、営業利益は、2022年度に発生した顧客要望に基づくウエハーの先行手配による一時的な費用や、間接的な為替影響がなくなったことで、製品の粗利益が増加し、前年同期から増益となった。
純利益の減益は、法人税額の増額を見込んだことによるものだという。同社は、税務調査において、租税特別措置法に基づく一般試験研究費に係る法人税の特別控除額の算出方法の指導を受け、税額控除額が減少する可能性を考慮。2023年度第1四半期から第3四半期までの法人税増額見込み分を、第3四半期に織り込んでいる。
2023年度3月期通期(2023年4月〜2024年3月)の業績予想は、為替の影響を考慮して、前回(2023年10月)予想から上方修正した。売上高は前回予想比30億円(1.4%)増の2170億円、営業利益は同25億円(8.6%)増の315億円を見込む。なお、純利益については、前述の法人税予想額の修正などを受け、前回予想から据え置きとした。
先端プロセスを使用したカスタムSoCがけん引
2023年度第3四半期累計(2023年4〜12月)業績を見ると、製品売り上げでは、オートモーティブやデータセンター/ネットワークなどの注力分野において、2020年3月以降に7nmや5nmなどの先端プロセスを使用したカスタムSoC(System on Chip)の新規商談を獲得したことや、その一部において開発が完了し量産段階に移行したことから、製品売り上げが増加した。結果、前年同期比22.2%増の16億9638万円となった。
同期間の売上高構成比率では、データセンター/ネットワーク分野が前年度通期の売上高構成比率から6ポイント増の38%と最も高く、スマートデバイス分野が同1ポイント減の21%、オートモーティブ分野が同4ポイント増の18%だった。
設計開発段階に顧客から対価として受け取る売り上げである「NRE(Non-Recurring Engineering)売り上げ」の構成比率では、データセンター/ネットワーク分野が同7ポイント減の11%、スマートデバイス分野が同3ポイント増の27%、オートモーティブ分野が同10ポイント増の44%だった。
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