品質管理と国際情報網で「世界につながる窓」を目指す Fusion Worldwide社長:ネプコン2024に初出展(2/3 ページ)
米国半導体商社のFusion Worldwideは、「第38回 ネプコンジャパン -エレクトロニクス開発・実装展-」(2024年1月24〜26日/東京ビッグサイト)に出展した。同社ブースで、社長のTobey Gonnerman氏に、展示会出展の狙いや2024年の世界半導体市場予測を聞いた。
村田製作所のインダクターの引き合いが増加、能登半島地震
――2024年1月1日に令和6年能登半島地震が発生し、村田製作所やサンケン電気、加賀東芝エレクトロニクスなどの半導体/電子部品各社も甚大な被害を受けました。FWWのビジネスにはどのような影響がありますか。
Gonnerman氏 令和6年能登半島地震から1週間は、北陸に拠点を持つどの企業(村田製作所やサンケン電気など)も従業員の安否確認や被害状況の確認などに注力していた。2週目以降からは、部品の供給不足を懸念した顧客が、当社に問い合わせてくるようになった。特に、村田製作所の製造拠点数カ所が震災の影響を受け、インダクターが逼迫したため、村田製作所のインダクターに対する引き合いが増えている。全体ではICや、MLCC(積層セラミックコンデンサー)などの受動部品の引き合いも増えている。
――今後、地震の影響により在庫不足になる可能性はありますか。
Gonnerman氏 現状、在庫不足の心配はないと考えている。FWWは通常、発注を受けてから仕入れを行うが、今回は非常事態のため、不足が予想される製品の在庫を先んじて確保しており、急激な需要増にも対応できている。
――日本では、物流のコスト増や配送納期の長期化といった「物流の2024年問題」*)などが課題になっています。日本でビジネスを本格展開するに当たり、倉庫や物流網の確保などはどのように対応する予定ですか。
Gonnerman氏 FWWのビジネスにおいては、短期的に見れば問題はないと考えている。物流に関しては、FedEx(フェデックス)やDLSとの取引が多いが、人手不足で深刻な問題が起きるという話は聞いていない。倉庫に関しては、シンガポール、香港(中国)、アムステルダム(オランダ)、ボストン(米国)の世界4カ所にある倉庫 兼 品質管理施設で対応できている。
日本で事業を拡大する場合、既存の東京オフィスだけでは物理的にカバーできる範囲が限られるため、新たに地方営業所を設置することが優先事項だろう。
*)2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限が年間960時間に制限されることで懸念される物流の停滞などの問題の総称
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