TSMC熊本工場で開所式 Morris Chang氏が「日本の半導体再興の始まり」と強調:投資総額は86億米ドル(1/2 ページ)
TSMCの製造子会社であるJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)は、熊本県菊陽町で建設を進めてきた熊本第一工場の開所式を開催した。開所式にはTSMCの創業者であるMorris Chang氏らが出席し、熊本第一工場に寄せる期待を語った。
TSMCの製造子会社であるJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(以下、JASM)は2024年2月24日、熊本県菊陽町で建設を進めてきた熊本第一工場の開所式を開催した。開所式にはTSMC創業者のMorris Chang氏、会長のMark Liu氏、CEO(最高経営責任者)のC.C. Wei氏、経済産業大臣の齋藤健氏、熊本県知事の蒲島郁夫氏らが出席したほか、岸田文雄首相もビデオメッセージを寄せ、熊本第一工場に対する期待を語った。
開所式にはソニーセミコンダクタソリューションズの社長兼CEOである清水照士氏、デンソー 社長の林新之助氏、トヨタ自動車 会長の豊田章夫氏ら、JASMに出資する企業からの出席者なども参加し、テープカットを行った。
Chang氏はTexas Instruments(以下、TI)で副社長を務めていた当時、初めて日本を訪れた際のエピソードを披露した。「日本TIの鳩ケ谷工場(埼玉県)を立ち上げる際、ソニーグループ創業者の盛田昭夫氏からは『日本の工場の歩留まりの高さに驚くだろう』と言われ、その通りになった」という。熊本第一工場の開所について、「JASMの成果にも期待している。日本や世界の半導体供給のレジリエンス強化につながるものだ。日本における半導体製造のルネサンス(再興)の始まりになることを信じている」と強調した。
JASM熊本第一工場の敷地面積は21万3000m2、延べ床面積は22万6000m2で、地上4階、地下2階建て。投資総額は86億米ドル(約1兆2900億円)で、日本政府が4760億円を助成する。TSMCの製品ラインアップのうち、22/28nm世代品、12/16nm品を生産するとしていて、量産開始時期は2024年内を予定している。
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