注目が集まるチップレット技術で2023年に見られた重要なブレークスルー:SoCからの移行は加速していくか(2/3 ページ)
半導体の微細化による「ムーアの法則」が頭打ちになりつつあるなかで注目が集まるチップレット技術。本稿では今後の発展の展望や2023年にあった重要なブレイクスルーなどを紹介する。
EliyanのBunch-of-Wiresチップレット技術
BoW(Bunch-of-Wires)チップレット技術のパイオニアであるEliyanは、標準有機パッケージにおいて40Gbps(ギガビット/秒)/バンプで動作し、130umピッチで2.2Tbps(テラビット秒)/mm以上のビーチフロント帯域幅を実現する5nmプロセスのシリコンデバイスを開発している。これは同社の「NuLink PHY技術」に基づいたもので、より微細なバンプピッチの標準パッケージでも入手可能だ。
BoW規格に基づくEliyanのチップレットインターコネクト技術は、急速に広まりを見せているUCIe(Universal Chiplet Interconnect Express)Die-to-Die(D2D)インターコネクト規格と互換性がある。UCIeの他にも、EliyanのNuLink PHY技術はHBM(High Bandwidth Memory)規格とも互換性があるという。
Die-to-DieインターコネクトIP
チップレット向けD2DインターコネクトIP(Intellectual Property)ソリューションのサプライヤーであるBlue Cheetah Analog Designは、12nmプロセスのテストチップでのシリコン実装を発表している。同社の2〜16Gbps「BlueLynx」チップレットインターコネクトIPソリューションは5nm、7nm、12nm、16nmプロセス技術で入手可能だ。BlueLynx D2DインターコネクトサブシステムIPは、ODSA(Open Domain-Specific Architecture) BoW(Bunch of Wires)規格をサポートするPHYおよびリンク層からなり、UCIeチップレット規格をサポートするような構成になっている。
図3:このチップレットインターコネクト技術は複数のプロセスノードをサポートしながらも広範なパッケージングニーズに応えられるという[クリックで拡大] 出所:Blue Cheetah Analog Design
Blue Cheetahはデータセンター、ネットワーキングならびにAIアプリケーションにおいてBlueLynxチップレットインターコネクトIPを使用しているティア1メーカーおよびスタートアップ企業と協業している。
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