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マイコン内蔵ゲートドライバーIC、東芝D&Sが発売:ECUの小型化、モーターの静音化も
東芝デバイス&ストレージ(東芝D&S)は、マイコンを内蔵したゲートドライバーIC「SmartMCD」シリーズの第1弾として「TB9M003FG」の量産出荷を始めた。
ベクトルエンジンを内蔵、マイコン負荷やプログラム容量を低減
東芝デバイス&ストレージ(東芝D&S)は2024年3月、マイコンを内蔵したゲートドライバーIC「SmartMCD」シリーズの第1弾として「TB9M003FG」の量産出荷を始めた。
TB9M003FGは、車載用の電動ウオーターポンプや電動オイルポンプ、電動ファン、電動ブロワーなどで用いられる三相ブラシレスDCモーター駆動用のnチャネルパワーMOSFETを制御/駆動するためのIC。
TB9M003FGは、動作周波数が40MHzのArm Cortex-M0コアや64Kバイトのフラッシュメモリ、電源コントロール機能、通信インタフェース機能などを集積した。これにより、ECU(電子制御ユニット)の小型化や部品点数の削減、モーター音の静音化などが可能となる。また、独自の正弦波制御用ハードウエア「ベクトルエンジン」を内蔵していて、マイコンの負荷軽減やプログラムの容量節減なども可能にした。
TB9M003FGを活用したレファレンスデザイン「SmartMCD適用ボディ系モーター制御回路」も用意していて、同社ウェブサイト上に公開した。
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