Rapidusが新たな協業へ データセンター用AIチップでEsperantoとMOCを締結:省電力のチップ開発/製造を目指す
Rapidusは2024年5月15日、低消費電力のデータセンター向けAI半導体の開発/製造の推進に向け、RISC-Vベースのコンピューティングソリューションを開発する米Esperanto Technologiesと協力覚書(MOC)を締結したと発表した。
Rapidusは2024年5月15日、RISC-Vベースのコンピューティングソリューションを開発する米Esperanto Technologiesと協力覚書(MOC)を締結したと発表した。AI(人工知能)の活用拡大と共に重要性を増している低消費電力のデータセンター向けAI半導体の開発/製造を目指す。
Esperanto Technologiesは、オープンスタンダードのRISC-V命令セット/アーキテクチャをベースに、AI/ML(機械学習)向けのコンピューティングソリューションを開発する米国企業だ。同社は、生成AI、HPC、エッジデバイスなどの分野において、高いエネルギー効率を実現する半導体設計技術を持っている。今回の協業では、次世代半導体の設計/製造により、AI時代に対応するエネルギー効率の高い製品開発を目指す。
Esperanto Technologies社長兼CEO(最高経営責任者)のArt Swift氏は、今回の協業について「Rapidusとの戦略的パートナーシップは、日本での事業拡大計画において重要な役割を果たす。今後、日本の他のパートナーとともに、エネルギー効率に優れた技術をより多くのSoC(System on Chip)設計者に広げていく」とコメントした。
Rapidus社長の小池淳義氏は「本格的なAI時代を迎えた現在、省エネルギー性能に優れた半導体の設計/製造は必須事項だ。今回のEsperanto Technologiesとの協業は、この課題解決に向けた大きな一歩になる」と語った。
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