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24年度は増収減益予想のローム、SiCパワー半導体への投資や新製品投入の計画を説明23年度は減収減益(1/4 ページ)

ロームの2023年度通期決算は、売上高が前年度比7.9%減の4677億円、営業利益が同53.1%減の433億円、純利益が同32.9%減の539億円で減収減益となった。2024年度は売上高が同2.6%増の4800億円、営業利益は同67.7%減の140億円、純利益は同74.1%減の140億円と増収減益になる計画だ。【訂正あり】

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 ロームは2024年5月8日、2023年度通期(2023年4月〜2024年3月)の業績を発表した。売上高は前年度比7.9%減の4677億円、営業利益は同53.1%減の433億円、純利益は同32.9%減の539億円で減収減益となった。自動車向けは堅調だったものの、産業機器向けをはじめとした他市場での需要低迷が響いた。

 2024年度の通期計画については、売上高は前年度比2.6%増の4800億円、営業利益は同67.7%減の140億円で営業利益率は2.9%、純利益は同74.1%減の140億円と、増収減益になる計画としている。

【訂正:2024年5月23日10時50分 当初、23年度売上高を4700億円、24年度売上高予測を4677億円と記載していましたが、それぞれ「4677億円」「4800億円」の誤りです。お詫びして訂正致します。】

自動車向けは好調もその他市場はいずれもマイナス成長

 2023年度通期業績を市場別で見ると、自動車市場ではxEV(電動車)向けを中心に好調で、前年度比7.7%増の2294億円に成長した。一方、産業機器市場はFA(ファクトリーオートメーション)向けを中心に需要低迷などによる厳しい環境が続き、同16.8%減の747億円となった。この他、民生市場も同17.5%減の927億円、通信市場も同7.2%減の205億円、コンピュータ&ストレージ市場もPC&サーバ向けを中心に減少して同28.6%減の505億円で着地。自動車以外の市場ではいずれもマイナス成長となった。

2023年度通期決算の概要市場別の業績 左=2024年度通期決算の概要/右=市場別の業績[クリックで拡大] 出所:ローム

 セグメント別では、LSIセグメントは、売上高が前年度比11.3%減の2072億円、セグメント利益は同55.8%減の212億円となった。自動車市場はxEVの普及加速に伴いパワートレイン向け絶縁ゲートドライバーICが順調に伸びたほか、車載LEDドライバーICやIPD(Intelligent Power Device)なども堅調に推移。一方で、民生市場では、省エネ性能エアコン向けモータードライバーは好調だったものの、AV機器や白物家電向けを中心に減少した。また、コンピュータ&ストレージ市場でも、PC関連や事務機向けのモータードライバーICおよび電源ICなどが減少。産機および通信市場も不調だった。

セグメント別の業績[クリックで拡大] 出所:ローム
セグメント別の業績[クリックで拡大] 出所:ローム

 半導体素子セグメントの売上高は、前年度比4.8%減の2019億円、セグメント利益は同62.5%減の129億円となった。トランジスタ、ダイオードは、自動車市場はxEV向けを中心に好調だったが、産機、民生、コンピュータ&ストレージ市場向けはいずれも厳しい状況となった。パワーデバイスは、自動車市場ではxEV向けを中心に好調に推移したものの、中国をはじめ市場成長率は鈍化傾向にあるという。産機市場向けでは、AI(人工知能)サーバなど特定の分野では好調だったものの、民生およびコンピュータ&ストレージ市場向けで厳しい状況が続いた。発光ダイオード、半導体レーザーも、民生市場向けを中心に低迷した。

 モジュールセグメントの売上高は前年度比4.1%減の329億円、セグメント利益は同53.2%減の20億円となった。スマートフォン向けセンサーモジュールで増加したが、プリントヘッドは、決済端末向けを中心に売り上げが減少した。その他セグメントは売上高が同6.9%減の257億円、セグメント利益は同57.7%減の21億円だった。自動車市場向けに高電力抵抗/シャント抵抗などの高信頼品は堅調だったが、産機市場向けなどの売り上げが減少した。

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