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24年度は増収減益予想のローム、SiCパワー半導体への投資や新製品投入の計画を説明23年度は減収減益(2/4 ページ)

ロームの2023年度通期決算は、売上高が前年度比7.9%減の4677億円、営業利益が同53.1%減の433億円、純利益が同32.9%減の539億円で減収減益となった。2024年度は売上高が同2.6%増の4800億円、営業利益は同67.7%減の140億円、純利益は同74.1%減の140億円と増収減益になる計画だ。【訂正あり】

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24年度は増収も営業利益67.7%減、純利益74.1%減と予想

 ロームは今回、2024年度の通期計画についても公表。売上高は前年度比2.6%増の4800億円、営業利益は同67.7%減の140億円で営業利益率は2.9%、純利益は同74.1%減の140億円と、増収減益になる計画だ。

2024年度の通期計画[クリックで拡大] 出所:ローム
2024年度の通期計画[クリックで拡大] 出所:ローム

 市場別にみると、自動車市場は売上高が前年度比10.8%増の2542億円に成長すると予想。電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)の成長率は鈍化するものの、2024年は全体的に堅調を維持し、生産台数も増加することを見込む。また、電動化/電装化の進行や在庫調整の収束によって、パワーやアナログ製品を中心に安定成長すると予想。「特にxEVやパワートレイン、ボディー関連のパワーデバイスは好調に推移するとみている」という。

 また、コンピュータ&ストレージ市場も同1.2%増の512億円に成長する見込み。同社は「生成AIやPC需要関連が少し戻り始めている。PCとサーバ関連の回復の期待は少し高まっている」と説明している。

 一方、産機市場は売上高が同12.1%減の657億円に減少する見通しだ。上期は在庫調整による需要低迷が継続し、全体的に減少するとみている。下期以降はエネルギー関連およびFA関連が回復基調にあると予想しているものの、「戻りはかなり弱いと見込んでいて、上期の減少分を補うほどではないと見積もっている」(同社)としている。

 民生や通信市場についても「若干の回復が見込まれるが、われわれとしては、かなり厳しい局面ではないかという見積もりをしている」と説明。それぞれ売上高が同1.4%減の914億円、同14.1%減の176億円とマイナス成長となることを見込む。

2024年度通期業績の計画市場別の業績計画 左=2024年度通期業績の計画/右=市場別の業績計画[クリックで拡大] 出所:ローム

24年度の設備投資は1650億円を計画、70%強がSiC関連

 2024年度通期計画の売り上げ変動を国別で見ると、自動車市場向けが中心に伸長することから、欧州および中国向けがそれぞれ前年度比20.5%増の555億円、同17.6%増の768億円と成長する見込み。日本は産機および民生、コンピュータ&ストレージの比率が高いことから同5.7%減の2466億円と引き続き減少する見込みだ。一方、米州はコンピュータ&ストレージが伸び、同13.5%増の554億円となることを予想している。

 ロームは2024年度に増収を予想する一方で、営業利益は大幅な減益を予想しているが、この主な要因は固定費の増が368億円分あるためだ。ローム社長の松本功氏は「このうちほとんどがSiC(炭化ケイ素)に対する償却や研究開発の増加分だ。多くの先行投資を行っているため、その部分が大きく乗っている」と説明。固定費増368億円のうち、350億円はSiC関連で、宮崎第二工場および筑後工場の立ち上げが影響しているという。

2024年度通期の営業利益の増減分析(計画)設備投資の状況と計画 左=2024年度通期の営業利益の増減分析(計画)/右=設備投資の状況と計画[クリックで拡大] 出所:ローム

 設備投資の状況をみると、2023年度は1867億円で着地。2024年度は1650億円を計画するが、このうち70%強がSiCに対する投資だという。なお、SiCに関する設備投資額は2025年度がピークになる見通しだ。償却費については2026〜2027年度まで増加するが、対売り上げ比率では2025年度がピークとなるという。

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