ソニーG会長が語る経営方針、過去6年で1.5兆円投資したイメージセンサーの役割は:ビジネスの軸足を「クリエイション」に(1/2 ページ)
ソニーグループは同社会長兼CEO(最高経営責任者)の吉田憲一郎氏が、同社の経営方針を説明。同社の半導体事業の主力であるCMOSイメージセンサーにの役割についても言及した。
ソニーグループは2024年5月23日、2024年度経営方針説明会を開催した。同社会長の吉田憲一郎氏は、経営の方向性として「エンタテイメントへの注力」および「クリエイションシフト」を挙げ、「ソニーは20世紀、ウォークマンやトリニトロンカラーテレビ、CDなど、感動を『届ける』ことに貢献してきた企業と思っている。21世紀のソニーは感動を『作る』というところに貢献していきたい」などと語っていた。
また、そうしたクリエイションを支える技術の一つとして、同社の半導体事業の主力であるCMOSイメージセンサーについても言及した。
コンテンツ、プロダクツ&サービス、半導体で「クリエイションシフト」
説明会で吉田氏はまず、同社が「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」という『Purpose(存在意義)』のもとで近年、ゲーム&ネットワークサービス、音楽、映画といった「人の心を動かす」エンタテイメント事業に注力していて、この3事業が2023年度のグループ売上高の約60%を担うまでに成長していることを紹介。2021年に実施したグループアーキテクチャ再編によって「各事業が自立し等距離でつながる体制を整備したことでグループシナジーも加速した」と説明していた。
そうしたエンタテイメント事業への注力に加えて取り組んでいるのが「クリエイションシフト」で、吉田氏は、ソニーグループがコンテンツ、プロダクツ&サービス、そして半導体の3つのビジネスレイヤーにおいて「軸足を『クリエイション』側にシフトしてきた」と説明。具体的には2018年のEMI Music Publishing買収を起点として、過去6年間で約1兆5000億円を投資しコンテンツ制作を強化してきた他、プロダクツ&サービス領域でも「クリエイターとともにエンタテインメントを創造することに注力している」と説明。2023年度には同分野(エンタテインメント・テクノロジー&サービス分野)の営業利益のうち、クリエイションにかかわるビジネス(デジタルカメラなどのイメージング、スポーツ、バーチャルプロダクション、プロオーディオなど)が8割以上を占める形となっているという。
そして、これらのクリエイションを支える存在として挙げたのが、半導体(CMOSイメージセンサー)だ。ソニーグループは、CMOSイメージセンサーに過去6年間で約1.5兆円の設備投資を行ってきた。吉田氏は「CMOSイメージセンサーは、映画製作のクリエイターから世界のスマートフォンユーザーまで、多くの人々のクリエイションを支えている」と説明。また、同社が新たなエンタテインメント空間と位置付けているモビリティ分野でもセンシングによる安全への貢献などを実現していると強調していた。
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