embedded world 2024で見つけた「ユニーク」な新マイコン:Matter対応品や15W供給対応品(1/3 ページ)
マイコンは、あらゆる設計に不可欠なビルディングブロックを提供し、組み込み業界の基盤であり続けている。EE Times Europeは、「embedded world 2024」(ドイツ・ニュルンベルク、2024年4月9〜11日)で新製品を発表したNXP、Microchip、Silicon Labsの3社に話を聞いた。
ことしで22回目を迎えた組み込み技術の展示会「embedded world 2024」(ドイツ・ニュルンベルク/2024年4月9〜11日)は、欧州の組み込みコミュニティーのメインイベントだが、世界中への展開力を持つイベントでもある。2024年のカンファレンスには、約50カ国から1100の出展者と約80カ国から来場者3万2000人が集まった。同イベントのディレクターを務めるBenedikt Weyerer氏は展示会の閉会コメントで、組み込みコミュニティーにとっての重要な出会いの場として、embedded Worldの重要性を強調した。
マイコンは、あらゆる設計に不可欠なビルディングブロックを提供し、組み込み業界の基盤であり続けている。EE Times Europeは、「embedded world 2024」(ドイツ・ニュルンベルク、2024年4月9〜11日)で発表を行ったマイコンメーカー3社に話を聞いた。
NXPのワイヤレスMCU「MCX W」シリーズ
NXP Semiconductorsのワイヤレスコネクティビティ担当マーケティングディレクターを務めるSujata Neidig氏は、ワイヤレスMCU「MCX W」シリーズの発売についてEE Times Europeに語った。同社は最近、「MCX A」および「MCX N」シリーズのデバイスを発表したが、マルチプロトコルMCX Wは、Bluetoothチャネルサウンディングをサポートする初のワイヤレスMCUだという。
Neidig氏は、「Bluetooth チャンネルサウンディングは『MCX W71x』ファミリーで利用可能で、より正確な測距機能を提供し、安全なアクセスとデジタルキー、近接サービス向けに設計されている。MCX WはBluetoothチャンネルサウンディングによって、飛行時間と往復位相測距モード、高速応答時間を利用して、±0.5mの精度を実現できる。また、専用のオンチップコプロセッサ(LCE:Localization Computing Engine)によって、レイテンシを10ミリ秒未満に抑えられる」と述べている。
MCX Wは、+10dBmのパワーアンプと低ノイズアンプを備えた「Arm Cortex-M3」ベースの専用2.4GHz/IEEE 802.15.4無線サブシステムを搭載しているため、Arm Cortex-M33プライマリーコアは無線スタックを実行する必要がない。無線のアップグレードが可能で、将来の無線規格やパフォーマンス機能、セキュリティ保護機能にも対応可能だ。サポートしているプロトコルには、スマートホーム規格の「Matter」、近距離無線通信規格「Zigbee」、Bluetooth、低消費無線通信規格「Thread」がある。また、「Bluetooth Low Energy(BLE)5.3」の高速、長距離、広告拡張もサポートしている。Wi-FiとBLEの共存が組み込まれていて、堅ろうなデュアルPAN機能を実現する。
セキュリティはあらゆる組み込み設計に必須の要件であり、MCX Wシリーズは全製品にNXPの「Edgelock」セキュアエンクレーブ機能を統合している。
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