embedded world 2024で見つけた「ユニーク」な新マイコン:Matter対応品や15W供給対応品(2/3 ページ)
マイコンは、あらゆる設計に不可欠なビルディングブロックを提供し、組み込み業界の基盤であり続けている。EE Times Europeは、「embedded world 2024」(ドイツ・ニュルンベルク、2024年4月9〜11日)で新製品を発表したNXP、Microchip、Silicon Labsの3社に話を聞いた。
Microchipの8ビット「AVR DU」ファミリー
Microchip Technology(以下、Microchip)は同展示会で、最新の8ビットUSB MCUファミリーを発表した。Microchipの8ビットMCU事業開発マネジャーを務めるOdd Jostein Svendsli氏はEE Times Europeに対し、「8ビットMCUの『AVR DU』ファミリーは、USB接続を統合した最新の『AVR』ベースMCUで、前世代品よりも高い電力供給能力を備えている。これは、当社が過去1年で発表した、6番目の8ビットMCUだ」と語った。
Svendsli氏は、「このシリーズは、同クラスのMCUでは見られない、最大15Wの電力供給を実現した。5Vで最大3Aの電流によるUSB-C充電に適していて、ポータブルパワーバンクや充電式玩具などの製品に最適だ」と述べている。
AVR DUファミリーには、Microchipのプログラムとデバッグインタフェース無効化セキュリティ機能が組み込まれていて、開発者は悪意のある攻撃に対するデバイスの防御機能を強化できる。同機能を有効にすると、ファームウェアを変更または消去しようとする不正な試みをプログラミングインタフェースでブロックできる。
Svendsli氏は、「MCUのコアから独立した周辺モジュール(CIP)の6チャネルイベントシステムは、コアや割り込みサービスルーティンを使用せずに確定的な応答を提供する」と述べ、「利用可能な機能には3つの16ビットタイマー/カウンター、アナログコンパレーター、10ビットのA-Dコンバーター(サンプリング速度は170kサンプル/秒)、最大25のデジタルIOピンが含まれる」と付け加えた。同氏によると、「CIPブロックは、柔軟で設定可能な機能セットを提供し、コードをほとんど、あるいはまったく必要とせず、消費電力を最小限に抑え、ソフトウェアで実装するよりもRAMとフラッシュが少なくて済む」という。
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