エレクトロニクスとパッケージ、部品、実装設備の動向を590ページに積載:福田昭のデバイス通信(462) 2024年度版実装技術ロードマップ(1)(1/2 ページ)
電子情報技術産業協会(JEITA)が2年ぶりに実装技術ロードマップを更新し、「2024年度版 実装技術ロードマップ」を2024年6月に発行した。ついに電子書籍となった。2024年6月11日には、5年ぶりとなるリアルでの「完成報告会」を都内で開催した。
ついに電子書籍(PDFファイル)となった実装技術ロードマップ
電子情報技術産業協会(JEITA)が2年ぶりに実装技術ロードマップを更新し、「2024年度版 実装技術ロードマップ」を2024年6月に発行した。ロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会は、発行に併せて恒例の「完成報告会」を同年6月11日に東京で開催した。そこで更新された実装技術ロードマップの概要と完成報告会の様子をお伝えする。
「2024年度版 実装技術ロードマップ」が前版(2022年度版)と大きく変わったのは、紙の書籍ではなく、PDFファイルの電子書籍となったことだ。紙の書籍は今のところ、販売の予定はない。購入者はPDFファイルをダウンロードすることで電子書籍を入手する。
「実装技術ロードマップ」はA4判で500ページを超える大著であり、その重さはかねて問題視されてきた。重量の問題を解決するには電子書籍が望ましい。しかし著作権保護機能を備えた民間の電子書籍サービスを介して販売することは、公益性を重視する業界団体としては選択しづらい。残る手法はPDFファイルのダウンロード販売である。ただし、PDFファイルだと「複製が可能になってしまう」ため、販売数が減少するとの懸念が残る。PDFファイルのダウンロード販売は大きな決断だったと言える。
ただしJEITAが刊行している最近の書籍は大半がPDFファイルとなっていることから、「実装技術ロードマップ」がPDFファイルになったとしても、奇異な印象は受けない。
5年ぶりとなったリアル開催の「完成報告会」
「実装技術ロードマップ」は1999年度版が最初のバージョンであり、以降は隔年での更新版発行を恒例としてきた。2019年度版は同年6月に紙の書籍として発行され、完成報告会も6月に東京で開催された。次の発行は2021年度版となるはずだった。
ところがコロナ禍(COVID-19の世界的な大流行)により、更新版の制作スケジュールは大幅に遅れることとなる。隔年での刊行は困難となり、1年遅れの「2022年度版 実装技術ロードマップ」が2022年6月に発行された。ロードマップは発行されたものの、「完成報告会」はリアルイベントとはならず、同年7月にオンラインで開催された。そしてこのたび、2024年6月に「2024年度版」を発行するとともに、5年ぶりのリアル開催となる「完成報告会」を実施できた。
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