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「チップレット構想」は破綻してないか? 利点はどこに:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)
昨今、盛り上がっている「チップレット」だが、最近の発表を聞いているとどうにも違和感を覚えてならない。IntelやAMDの製品を取り上げながら、当初提唱されていたチップレットの利点について、もう一度考えてみたい。
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2024年5月16日、Esperanto TechnologyがRapidusの2nmプロセスを利用して同社の第3世代チップであるET-SoC-3を製造する事に関するMOU(協力覚書)を締結した事が発表されたのだが、この発表会に参加して感じた違和感というか、昨今のChipletの傾倒ぶりに関してちょっと思ったことを書いてみたいと思う。
「チップレット」とは何か
そもそもChipletとは何か?に関して明確な定義がいまだになされていない。というのは、どうみてもMCM(Multi-Chip Module)でしかないのにChiplet扱いされるケースがあるためだ。取りあえず本稿では「単体では動作し得ないダイ同士を複数組み合わせて、システムとして稼働するもの」をChipletと呼びたい。具体的に言えば、かつてのIntel Core 2 Quad(Core 2 Duoのダイが2つ、1パッケージに載ったもの)や、AMDのZen 1/Zen 2世代のEPYCやThreadripper(これはいずれも単体で動作するCPUダイを複数、1パッケージに載せたもの)はChipletとして扱わない。
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