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半導体製造装置でも躍進する中国 日本はシェア低下を止められるのか湯之上隆のナノフォーカス(74)(3/5 ページ)

半導体製造の前工程において、日本の半導体製造装置メーカーのシェア低下が止まらない。代わって躍進しているのが中国メーカーである。今回は、半導体製造装置のシェアの推移を分析し、中国勢が成長する背景を探る。

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装置メーカーの出荷額の5位以上と6位以下の差

 ここで、あらためて図5を見てみると、出荷額1位ASML(237億米ドル)および2位AMAT(204億米ドル)と、3位Lam(115億米ドル)および4位TEL(103億米ドル)には大差がついている。また、3位および4位と、6位KLA(76億米ドル)にも大きな差がある。さらに、5位以上と6位以下の間にも大差がついている。もっと簡単に言えば、5位以上と6位以下の間には、極めて大きな差がついている。

 ただし、図5では、6位以下の装置メーカーの挙動が分からないので、縦軸を対数にしたグラフを書いてみた(図7)。その結果、韓国のSEMESが成長してきていることが分かる。また、2016年以降、中国のNAURAが急成長しており、日本のLasertecも成長が著しい。さらに、2018年以降、中国のAMECが成長していることも分かった。


図7 主な前工程装置メーカーの出荷額の推移(対数グラフ)[クリックで拡大] 出所:モルガンスタンレー証券のデータおよび筆者の調査を基に作成

中国NAURAが装置のランキングトップ10入り

 ここで、2000年以降の装置メーカーの売上高ランキングトップ10の推移を表にしてみた(図8)。まず、2007年以降、トップ5のプレイヤーが固定されたことが分かる。ただし、トップ5の中で、時々順位の入れ替えは起きている。


図8 半導体製造装置企業の売上高売上高トップ10の推移[クリックで拡大] 出所:モルガンスタンレー証券のデータおよび筆者の調査を基に作成

 一方、6位以下では、毎年順位が激しく入れ替わっているが、2016年以降にSEMESがトップ10に入ってくるようになった。そして、2023年に、中国のNAURAが初めて8位にランクインした。

 中国の装置メーカーがトップ10に入るのは初めてのことである。従って、これは相当にエポックメイキングなことである。また、図4に示した各種前工程の出荷額について、2023年に多くの装置が減少する中、露光装置とPVD装置が増加していることを述べた。このPVD装置の増大は、どうやらNAURAの出荷額の増大に起因しているらしい。

 そして、もう1社の中国装置メーカーAMECは、2023年時点では17位であり、トップ10に入るには、まだ相当の時間がかかるかもしれない。しかし、既にニコンと同程度の売り上げとなっていることから、NAURAと同様に、AMECは、今後侮ることができない装置メーカーになるかもしれない。

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