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ソフトバンクGに買収されたAI新興Graphcore、会見詳報次世代品への言及も(1/2 ページ)

Graphcoreが、ソフトバンクグループ(以下、ソフトバンクG)に買収されたことを発表し、記者会見を行った。本稿ではGraphcoreが目指す方向性や、ソフトバンクGと開発中の新製品に関する情報など、同会見で語られた内容を伝える。

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 英国のAI(人工知能)チップ新興メーカーGraphcoreが2024年7月11日(英国時間)、ソフトバンクグループ(以下、ソフトバンクG)に買収されたことを発表。同日記者会見を行った。本稿ではGraphcoreの今後の組織体制や目指す方向性、中国撤退の理由、ソフトバンクGと開発中の新製品に関する情報など、同会見で語られた内容を伝える。

非公開の買収価格、一部報道の5億米ドルは「不正確」

 Graphcoreは、現在Wikipediaに記載されている5億米ドルという数字が正しくないと認めたこと以外は、取引額について明らかにしていない。米国EE Timesの情報筋がこの取引を4億米ドルと評価したのが正しければ、投資家にとって投資利益率がかなり低くなることになる。ここ数カ月で、複数の投資家がGraphcoreの株式の評価を下げたり、損金処理したりしているにもかかわらず、GraphcoreのCEO(最高経営責任者)を務めるNigel Toon氏は、同社の投資家全員が取引条件に満足していると述べている。

 同氏は、「当社の投資家は今回の取引と結果を全面的に支持している。これは、Graphcoreの従業員にとっても素晴らしい結果だ」と述べている。

 Toon氏は、譲渡制限付き株式ユニット(RSU)を保有するGraphcoreの元従業員は何も受け取れないといううわさが事実であると認めた上で、「取引の仕組み上、元従業員は今後参加しないことになる」と述べた。

 同氏は、「その点については申し訳なく思っているが、私がいえることは、Graphcoreの現在の従業員全員と今後当社で働く人々にとって、これは素晴らしい結果であるということだ」と述べている。

中国撤退の理由や今後の組織の形

 Toon氏は、GraphcoreがソフトバンクGとの買収交渉に「かなり長い期間」取り組んできたと説明し、この期間に、「中国での“先進的な”活動から撤退する猶予を得た」と付け加えた。これには、中国に大きな可能性があるにもかかわらず、中国オフィスを閉鎖したことも含まれる。

 同氏は、「(中国からの撤退は)ソフトバンクGとの機会に集中するために選択したことだ。(比較的小規模な企業である)当社には選択が必要で、当社が下した選択は、米国の輸出制限が原因で非常に困難になっていた中国での活動を閉鎖することだった」と述べている。

 この取引は、英国の新旧政権の両方による規制審査を通過し、英国の競争市場庁(CMA)の承認も受けている。規制プロセスでは、ソフトバンクGがGraphcoreの本社を英国に維持するという拘束力のある保証は求められなかったが、Toon氏は、「ソフトバンクGは非常に明確にGraphcoreを英国に維持する意図を持っている」と述べている。

 Graphcoreの英国、ポーランド、台湾各拠点の現従業員は、ソフトバンクGの下で雇用が維持される。Toon氏によると、ソフトバンクGはGraphcoreにさらに投資し、英国のチームを拡大する計画だという。

 Graphcoreの共同創業者であるNigel Toon氏とSimon Knowles氏は、それぞれCEO(最高経営責任者)とCTO(最高技術責任者)のポジションを維持し、同社の取締役にとどまる。現在の投資家の取締役は退任し、ソフトバンクGの新たな取締役が就任する。

Graphcoreの共同創業者であるSimon Knowles氏(左)とNigel Toon氏(右) 出所:Graphcore
Graphcoreの共同創業者であるSimon Knowles氏(左)とNigel Toon氏(右) 出所:Graphcore
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