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ソフトバンクGが英国のAI新興Graphcore買収、4億米ドル規模かNVIDIAとの競争に向け

ソフトバンクグループが、英国のAI(人工知能)チップ新興メーカーGraphcoreを買収した。買収価格など明かしていないが、業界関係者によると約4億米ドルだという。

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 ソフトバンクグループ(以下、ソフトバンクG)が、英国のAI(人工知能)チップ新興メーカーGraphcoreを買収した。2024年7月11日(英国時間)、Graphcoreが発表した。Graphcoreは社名を維持し、ソフトバンクGの完全子会社となる。買収価格など明かしていないが、業界関係者が米国EE Timesに語ったところによると、その額は約4億米ドルだという。なお、Graphcoreは前回の資金調達ラウンド後に28億米ドルの評価を受けていて、調達資金総額は7億米ドルに迫っていた。

Graphcoreの最新製品「Bow IPU」は2022年に発売された[クリックで拡大] 出所:Graphcore
Graphcoreの最新製品「Bow IPU」は2022年に発売された[クリックで拡大] 出所:Graphcore

 2016年に設立され、英国ブリストルに本社を置くGraphcoreは、データセンターAIアクセラレーターチップおよび、インテリジェンスプロセッシングユニット(IPU)と、それに付随するソフトウェアスタックである「Poplar」を開発している。

 GraphcoreのCEO(最高経営責任者)を務めるNigel Toon氏は、「当社はハードウェア、そして特に重要なソフトウェアの両方において、AIプロセッサの支配的なプレーヤーに真っ向から勝負できる素晴らしいチームを構築した。われわれは、研究者が次世代のAIモデルを構築するのをサポートしているほか、いくつかのケースでは米国や中国の大手インフラ企業に展開した。IPUは多数のユーザーとの実際のデプロイメント状況において、非常に大規模なAIワークロードを展開してきた。わずか数百人の従業員で素晴らしいものを築き上げてきたが、われわれが利用できた資本は、この分野の他のプレーヤーに比べればごくわずかだった」と語った。

「資金不足」解消でNVIDIAに対抗へ

 買収発表に併せて開催した記者会見でToon氏は、Graphcoreの商業的な勢いが弱いのは資金不足が要因だったと繰り返し述べた。これは同社が市場をリードするNVIDIAに後れを取っていることを意味している。Graphcoreは創業以来約7億米ドルの資金を調達してきた。

 Toon氏は、「(今回の買収は)われわれのミッションを継続するための膨大なリソースを与えてくれるだろう。機会の規模や可能性という点で、当社はソフトバンクと強く協調している。大口顧客へのアクセスの支援や過去1〜2年で困難になっていた資本へのアクセスが提供されることになる」と語った。

 同氏はまた、「市場をリードするNVIDIAと競争するために必要な投資レベルが今や手の届くところにある」と付け加えた。

 「われわれがこれまで築き上げてきたものを、これから倍増させ、前進していくことができる。当社は、われわれと同じように大きな野心を持っている企業とともに、本当に世界的な規模で競争するための大規模な投資を得るのだ」(Toon氏)

【翻訳、編集:EE Times Japan】

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