村田製作所、24年Q1は増収増益 AIサーバ需要が旺盛：通期予想は据え置き（2/3 ページ）

村田製作所の2024年度第1四半期（4〜6月）の業績は、売上高は前年同期比14.7％増の4217億円、営業利益は同32.5％増の664億円だった。AIサーバ向けの積層セラミックコンデンサー（MLCC）などの需要が旺盛だという。

[浅井涼，EE Times Japan]

通期予想は据え置き　「為替レートや需要を見極めたい」

　2024年度通期の業績予想は、売上高／利益ともに期初の予想を据え置いた。この理由について南出氏は「為替レートの変動が大きく、もう少し様子を見たい。EV（電気自動車）や中国のスマホ向け需要について状況を見極めたい」と説明した。

通期業績予想［クリックで拡大］ 出所：村田製作所

AIサーバ向けでMLCC需要増見込む　EV市場は成長鈍化

　事業環境認識について、売り上げ面ではAIサーバ向けの部品需要が堅調であるとした。サーバ1基あたりのMLCCの搭載数は、従来のサーバでは2000個程度だが、AIサーバでは1万〜2万個程度になることから、今後も増産による売り上げ増加を見込むという。

事業環境認識［クリックで拡大］ 出所：村田製作所

　モビリティ向けでは、2024年4月時点ではxEV（電動車）を中心に部品需要増加を見込んでいたが、同年7月時点では認識を改め、EV市場の成長率が鈍化しているとした。また、パワーツール市場の在庫調整は継続しているとみている。製品価格の値下がりは同社の想定の範囲内で進行しているが、為替は前提としたレートに対し円安が進行しているという（2024年7月時点の認識）

　生産面では、第2四半期以降のスマホの季節性需要増に向けて増産を予定しているほか、リチウムイオン二次電池の生産調整を継続するという。