村田製作所、24年Q1は増収増益 AIサーバ需要が旺盛:通期予想は据え置き(3/3 ページ)
村田製作所の2024年度第1四半期(4〜6月)の業績は、売上高は前年同期比14.7%増の4217億円、営業利益は同32.5%増の664億円だった。AIサーバ向けの積層セラミックコンデンサー(MLCC)などの需要が旺盛だという。
コンピュータ/家電用途で売上高大幅増
事業別セグメントの売上高は、前四半期比では全てのセグメントで増加した。前年同期比では、エナジー/パワーのみ減少し、それ以外のセグメントではいずれも増加した。
具体的には、コンデンサーはコンピュータやモビリティ向けを中心に幅広い用途で増加し、前四半期比7.6%増となった。インダクター/EMIフィルターはスマホ向けが好調で同7.7%増だった。高周波/通信はPCやスマホ向けで高周波モジュールが増加し、スマホ向けで樹脂多層基板が増加したが、スマホ向けで表面波フィルターが減少し、同6.1%増となった。
用途別の売上高も、前四半期比では全ての用途で増加した。前年同期比では、家電と産業/その他のみ減少し、それ以外の通信、モビリティ、コンピュータでは増加した。
具体的には、通信用途ではスマホ向けのコンデンサーや樹脂多層基板、インダクターが増加し、前四半期比3.8%増となった。モビリティ用途ではxEV(電動車)向けを中心にコンデンサーが増加し、同5.2%増だった。コンピュータ用途では、PC向けでコンデンサーや高周波モジュールが増加したほか、サーバ向けでコンデンサーやリチウムイオン二次電池が増加し、同19.7%増となった。なお、AIサーバ関連の売上高はコンピュータ用途に含まれる。家電用途ではパワーツールやゲーム機向けでリチウムイオン二次電池が増加し、同22.5%増と、全ての用途の中で最大の増加率だった。産業/その他用途では産業機器や代理店向けでコンデンサーが増加し、同3.6%増となった。
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