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インタビュー

「まねできない技術」で製品を高付加価値化 太陽誘電社長が語る成長戦略厳しい状況で就任も(1/3 ページ)

太陽誘電の新社長に佐瀬克也氏が就任して1年3カ月が経過した。「厳しい状況での社長就任だった」と語る佐瀬氏だが、中期経営計画の目標達成に向け「適切なタイミングでアクセルを踏むことができれば業績改善につなげられる」と強調する。同氏に、中期経営計画の進捗や製品戦略、太陽誘電の強みや課題を聞いた。

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 2023年6月、太陽誘電の新社長に佐瀬克也氏が就任した。就任後、初めての通期決算である2024年3月期(2023年度)の業績は、売上高が3226億4700万円で前期比1%増となったものの、営業利益は同71.6%減となる90億7900万円で大幅な減益となった。同社は現在、「中期経営計画2025」(2021〜2025年度)の4年目を迎えている。同計画では、売上高4800億円、営業利益率15%以上を指標として掲げる。佐瀬氏に、中期経営計画の進捗や事業戦略、太陽誘電の強みや課題を聞いた。

2023年度は「利益を出しにくい1年」

佐瀬克也氏

――2023年度の業績やビジネス概況を振り返ってください。

佐瀬克也氏 売上高は微増だったが、利益を出しにくい1年だった。コロナ禍やウクライナ戦争などの問題でイレギュラーな需要が増加し、2022年、2023年と在庫消化が続いた。2023年半ばには落ち着いてきたが、そのあおりを受けて工場の稼働を十分に上げることができなかった。稼働については、2022年度第4四半期で底を打ち、それ以降は回復基調に乗っている。足元では80%以上まで回復していて2024年度後半にはさらに伸びていく見込みだ。

――2023年度は、「中期経営計画2025」(2021〜2025年度)のちょうど中間にあたります。中期経営計画の進捗はいかがですか。営業利益率15%を目標にしていますが、これを達成するには何が重要になりますか。

佐瀬氏 中期経営計画の財政目標を達成するための投資は、需要が低迷した時期でも継続しており、デリバリー(顧客への供給)体制は整っている。顧客の需要が増加すれば、それに応じて利益率も上がると見込んでいる。顧客需要を見極め、ニーズに沿った製品を適切なタイミングで提供できれば利益率は上がっていくだろう。

「中期経営計画2025」(2021〜2025年度)の経営指標経営指標の推移 左=「中期経営計画2025」(2021〜2025年度)の経営指標/右=経営指標の推移[クリックで拡大] 出所:太陽誘電

――市況についてはいかがでしょうか。

佐瀬氏 2024年よりも2025年の方が良いと予想している。在庫調整が長引き、動きが鈍かった情報インフラと産業機器はそろそろ決着がつくのではないか。AI(人工知能)サーバ分野がけん引役になり、伸びていくとみている。

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