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「半導体産業で全国を連携」 SEMI設立の協議会が初会合:58の自治体/団体が出席(3/3 ページ)
2024年10月8日、「全国半導体地域連携協議会」の第1回会合が都内で開催され、58の自治体/団体が参加した。同協議会は、半導体産業による地域経済の活性化を目的としてSEMIが2024年9月に設立した。
東北は「シリコンロード」から「シリコンコリドー」へ
経産省 東北経済産業局 情報政策・半導体戦略室 情報政策係長の亀田大貴氏は、「東北では、東北自動車沿いに半導体工場や関連拠点が多いことから、シリコンロードとも呼ばれている。半導体は東北における強みの産業であり、今後もかなり活発な投資が計画されている」と語った。同氏によれば、東北では今後、総額で1兆円以上が半導体関連の産業に投資される計画だという。
スピンエレクトロニクスの研究をけん引する東北大学や、有機EL関連の研究で強い山形大学などの存在も、東北の半導体産業を支えている。東北大学には、次世代放射光施設「NanoTerasu(ナノテラス)」が整備されている他、100%民間拠出による産官学連携拠点「東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター」もある。2024年4月には、半導体および関連産業の基盤を強化するための産官学の連携体「東北半導体・エレクトロニクスデザインコンソーシアム(T-Seeds)」も設立された。「このように東北は産官学の取り組みも活発だ。併せて、半導体産業に従事する人々が住みやすい町づくりなども行っている。東北は、シリコンロードだけでなく、東北全域に拠点がまたがる『シリコンコリドー(回廊)』の形成を目指している」
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