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「エッジでもLLMを動かす」 韓国新興DEEPXHBMではなくLPDDRにこだわる(3/3 ページ)

エッジAI(人工知能)用チップの開発を手掛ける韓国のスタートアップDEEPXが、取り組みを活発化させている。将来的には、LLM(大規模言語モデル)を動作できるようにすることを目指すという。

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HBMではなく、LPDDRにこだわる

 「当社はLPDDRにこだわっている。これは重要なポイントだ。HBM(広帯域メモリ)は、帯域幅は優れているが、コストと消費電力の点でモバイル機器に適していない。帯域幅が限られていることから(LLMに)実装するのが難しいにもかかわらず、LPDDRに重点を置いているのはそのためだ」とKim氏は説明する。

 「DEEPXのチップにLLMを実装することは、ソフトウェア上の大きな課題だ。当社はまだ、量子化技術をLLMに適用していない」(Kim氏)

 一方、DEEPXのロードマップの次のチップとなる「V3」は、以前提案された「L2」を中国と台湾の顧客からの要請に応じて再設計したものである。15TOPSのデュアルコアDEEPX NPUと「Arm Cortex A52」クアッドコアCPUを搭載し、平均5W以下で動作する。V1と同じ12MP ISPに加えて、SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)およびレーダーアプリケーションをサポートする75GFLOPSのDSPも搭載する。

 「以前はRISC-V CPUを使用していたが、顧客はArmを望んでいた。そのため、Armクアッドコアをターゲットにした。また、顧客はNPUのアップグレードではなく、より強力なISPであるUSB 3.1を望んでいた。そこで、設計を見直した」(Kim氏)

 Kim氏は、「顧客がArmのCPUを望んだ理由の一つに、多くの顧客がセキュリティカメラシステムを構築しており、Armのエコシステムがより優れたセキュリティソリューションを提供できることがある。他の顧客は、現在ArmでサポートされているがRISC-Vはまだ対応していないロボットオペレーティングシステムを導入したいと考えている。だが、RISC-Vにはまだエコシステムがない」と付け加えた。

【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】

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