ルネサス、Intelと共同で「Lunar Lake」向け電源ソリューションを開発:高効率と小型化を両立
ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)は、IntelのAI PC向けプロセッサ「Intel Core Ultra 200Vシリーズ」用のパワーマネジメントソリューションを発表した。同ソリューションは、ルネサスとIntelが共同開発したもの。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2024年10月24日、IntelのAI PC向けプロセッサ「Intel Core Ultra 200Vシリーズ」(開発コード名:Lunar Lake)用のパワーマネジメントソリューションを発表した。同ソリューションはルネサスとIntelが共同開発したもので、「クラス最高の電力効率を実現する」(ルネサス)という。
高効率と小型化を両立
今回発表したソリューションは、Intel Core Ultra 200Vシリーズの電源要件に対応する専用のパワーマネジメントIC「RAA225019」に、プリレギュレーター「RAA489301」とバッテリーチャージャー「ISL9241」を組み合わせたもの。
パワーマネジメントIC(PMIC)のRAA225019は、Intel Core Ultra 200Vシリーズ向けに高度な設定が可能で、パワーMOSFETと電流検出回路を内蔵している。高スイッチング周波数で動作し、高効率と回路小型化の両立を実現するという。
プリレギュレーターのRAA489301は、前述のPMIC向けに電圧範囲を最適化できるよう設計した3レベルバックコンバーターだ。従来の2レベルバックコンバーターよりも発熱を低く抑え、広範な入出力電圧範囲をサポートすることで、高電力密度のアプリケーションでも高効率を実現できるとしている。
IntelのProduct and Platform Marketing ゼネラルマネジャー兼Client Computing Group バイスプレジデントであるJosh Newman氏は同ソリューションについて、「ルネサスと協力して、比類のない電力効率を備えた次世代の革新的なモバイルプラットフォーム用のソリューションを実現した」と述べている。
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