TSMC一強に死角なし 半導体受託製造業界を分析:大山聡の業界スコープ(82)(3/4 ページ)
Samsung Electronicsの半導体事業の業績が伸び悩んでいる。筆者としては「ファウンドリー(半導体受託製造)事業の低迷がより大きな問題ではないか」と分析している。ファウンドリー業界ではIntelがファウンドリー部門の分社化を発表した。ファウンドリー業界は今どうなっているのか、今後はどうなるのか。探ってみる。
7nmプロセス実現も利益率が伸び悩むSMIC
図4は、SMICの四半期業績をグラフにしたものである。
対中規制のため、SMICはEUV露光装置を導入できないが、2023年に7nmプロセスの実現に成功した。SMICは正式にはコメントしていないが、このプロセスを活用したSoCがHuaweiの5Gスマホに搭載されていることが確認されている。恐らくSMICは、液浸ArF露光装置とマルチパターニング技術を駆使して7nmプロセスを実現した可能性が高い。Huaweiは3つ折り式5Gスマホ「Mate XT Ultimate Design」をリリースし、世界市場でも注目を集めている。対中規制がさらに強化される中、SMICが5G対応SoCをどれだけ量産できるのか、量産したところで採算が取れるのだろうか。図4を見て分かる通り、売り上げは伸びているが営業利益率が低い。規制のために最適な装置を導入できないことも原因の1つと推察される。
Intelとの提携発表 4位転落のUMC
図5は、UMCの四半期業績をグラフにしたものである。
直近ではSMICに抜かれて4位に転落したが、営業利益は安定している。UMCはFinFETプロセスの量産実績がなく、実質的には22nmが同社の最先端プロセスである。従って減価償却負担も少ないが、事業を拡大できず、TSMCとの格差が大きく開いてしまった。しかし2024年1月にIntelとの提携を発表し、新しい12nmプロセスプラットフォームを共同開発する。この提携は、FinFETプロセスの実績がなかったUMCと、プロセスコストが高くて顧客に敬遠されているIntelという双方にとってプラスが期待できる提携だろう。
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