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20μmの「極薄」パワー半導体ウエハーを初公開、InfineonAIサーバ用途の活用を強調(1/2 ページ)

Infineon Technologiesはドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大規模のエレクトロニクス展示会「electronica 2024」において、厚さ20μmと「世界最薄」(同社)の300mmパワー半導体ウエハーを初公開した。同技術は既に認証済みで、Infineonのインテグレーテッドスマートパワーステージ(DC-DCコンバーター)に採用され最初の顧客に納入されている。

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 Infineon Technologies(以下、Infineon)はドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大規模のエレクトロニクス展示会「electronica 2024」(2024年11月12〜15日)において、厚さ20μmと「世界最薄」(同社)の300mmパワー半導体ウエハーを初公開した。同技術は既に認証済みで、Infineonのインテグレーテッドスマートパワーステージ(DC-DCコンバーター)に採用され最初の顧客に納入されている。

展示されていた20μmの極薄ウエハー。波のように曲げ、その薄さを強調している
展示されていた20μmの極薄ウエハー。波のように曲げ、その薄さを強調している[クリックで拡大]

「先進的なAIサーバ用途の電源に活用できる」

 Infineonは2024年10月29日(ドイツ時間)、この厚さ20μmの300mmパワー半導体ウエハー技術を発表した。Infineonは厚さ40〜60μmという薄型ウエハー技術で長い歴史を持つが、20μmは従来比で半分の厚みになり、基板抵抗は50%低く、電力システムにおける電力損失は15%以上削減できるという。

こちらは曲げていないタイプ
こちらは曲げていないタイプ[クリックで拡大]

 この技術は上述の通り、既に顧客に納入されていて、Infineonは今後3〜4年以内に低電圧電力変換器用の従来型ウエハー技術の代替を狙う。

 同技術の適用範囲は幅広いが、特に同社が有望な市場として見込んでいるのがAI(人工知能)データセンター市場だ。ハイエンドのAIサーバアプリケーションでは大電流が必要になるため、電力変換が特に重要になる。超薄型のウエハーを用いることで縦型トレンチMOSFET技術による縦型電力供給設計が強化され、AIチッププロセッサへの非常に近い接続が可能になり、電力損失が低減。全体的な効率性を向上できるとしている。

 Infineonがelectronica 2024で開催した決算会見でも、同社CEO(最高経営責任者)であるJochen Hanebeck氏が「20μmのウエハーという技術革新によって、電源ソリューションのエネルギー効率、電力密度、信頼性を大幅に向上できる」とした上で、AIデータセンター分野でのロードマップ強化に触れ、「薄型ウエハー技術の利点は、とりわけ先進的なAIサーバ用途の電源に活用できる」とコメントしていた。

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