1チップで9軸モーター制御が可能 ルネサスの新ハイエンドMPU:産業用通信にも柔軟に対応(1/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは、1チップで産業ロボットのモーターを最大9軸まで制御できるハイエンドMPU「RZ/T2H」を発表した。主要な産業イーサネット通信を始め、さまざまなネットワーク通信に1チップで対応できる。
主要な産業イーサネットや汎用ネットワーク通信に対応
ルネサス エレクトロニクスは2024年11月、1チップで産業ロボットのモーターを最大9軸まで制御できるハイエンドMPU「RZ/T2H」を発表した。主要な産業イーサネット通信を始め、さまざまなネットワーク通信に1チップで対応できる。同等性能で小型パッケージを採用した「RZ/N2H」についても、2025年第1四半期に発売予定。
RZ/T2Hは、リアルタイム制御機器向けMPUとして、高いアプリケーション処理能力とリアルタイム性能を備えている。これまで複数個のMPUを用いたり、FPGAを組み合わせたりして対応していたモーター制御などの用途でも、RZ/T2H を用いると1チップで実現できるという。このため、部品点数の削減だけでなく、FPGAのプログラム開発に要する工数の削減も可能となった。
RZ/T2Hは、Linux対応の高性能アプリケーションCPUとして最大動作周波数が1.2GHzの「Arm Cortex-A55」を最大4個搭載した。前世代のCortex-A53に比べ、Cortex-A55のアプリケーション処理性能は1.26倍である。また、高速DDRインタフェースとして「LPDDR4-3200(32ビット)」をサポートしている。
さらに、リアルタイムCPUとして最大動作周波数が1GHzの「Cortex-R52」を2個搭載した。各コアには合計576Kバイトの密結合メモリ(TCM)を搭載している。前世代の「Cortex-R5」に比べ、モーター制御の電流ループ処理時間は1.7〜2.1倍も速い。ジッタも小さいという。
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