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難易度の高いミリ波設計を容易に 超小型アンテナモジュールMWE 2024でADIがデモ展示(1/2 ページ)

アナログ・デバイセズ(ADI)は「MWE 2024」(2024年11月27〜29日、パシフィコ横浜)で、ミリ波に対応したフェーズドアレイアンテナモジュール「Dragonfly」や、月測位システム用の小型衛星に使われるSDR(ソフトウェア無線)対応トランシーバーなどを展示した。

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 アナログ・デバイセズ(ADI)は「MWE 2024」(2024年11月27〜29日、パシフィコ横浜)で、ミリ波に対応したフェーズドアレイアンテナモジュール「Dragonfly」(開発コード名)などを展示した。

 Dragonflyは日本で設計したもので、28GHz/39GHzに対応する。64素子のパッチアンテナと、ビームフォームチップセット、ADIのアップ/ダウンコンバーターIC、電源ICなどを、120×140mmの小型基板に集積した。製造はエスタカヤ電子工業で、マクニカが販売している。

「Dragonfly」の外観
「Dragonfly」の外観[クリックで拡大]

 Dragonflyで特徴的なのが、ビームフォームチップセットを4つ搭載していることだ。5G(第5世代移動通信)/Beyond 5Gではビームフォーミング技術が特徴の一つになるが、同技術を搭載するとなると機器設計は格段に難しくなる。ADIは、「ビームステアリングを自社で評価したいという声も多く、そうしたニーズに応えるのがDragonflyだ」と説明する。「日本ではなかなかミリ波の5Gが普及していないが、Dragonflyのような高集積、小型のモジュールがあることで開発や実用化の加速に貢献したい」(ADI)

 会場では、2個のDragonflyと、オープンソースの5GであるOpenAirInterfaceを使って、実際にミリ波通信を行い、評価するデモを示していた。

DragonflyとOpenAirInterfaceを用いたデモの様子評価の画面。通信速度や通信の品質などを示していた 左=DragonflyとOpenAirInterfaceを用いたデモの様子/右=デモの通信を評価している画面。通信速度や通信の品質などを示していた[クリックで拡大]

 LEO(低軌道衛星)通信やHAPS(High Altitude Platform Station)などに向けたKa帯フェーズドアレイ開発プラットフォームも展示した。レシーバーとトランスミッターの2個のフェーズドアレイアンテナモジュールで構成される。それぞれ256素子のアンテナを備えていて、レシーバーには受信用Ka帯ビームフォーマーIC「ADAR3002」が、トランスミッターには送信用Ka帯ビームフォーマーIC「ADAR3003」を搭載されている。データコンバーターICや電源管理ICなどもADIの製品が使われていて、「バックエンドのシグナルチェーンもADIの製品で構成できることが特徴だ」と同社は説明する。

Ka帯フェーズドアレイ開発プラットフォーム
Ka帯フェーズドアレイ開発プラットフォーム。左が送信用モジュール、右が受信用モジュール[クリックで拡大]

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