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難易度の高いミリ波設計を容易に 超小型アンテナモジュールMWE 2024でADIがデモ展示(2/2 ページ)

アナログ・デバイセズ(ADI)は「MWE 2024」(2024年11月27〜29日、パシフィコ横浜)で、ミリ波に対応したフェーズドアレイアンテナモジュール「Dragonfly」や、月測位システム用の小型衛星に使われるSDR(ソフトウェア無線)対応トランシーバーなどを展示した。

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「月面版GPS」実現に向けたSDR対応トランシーバー

 ADIのブースでは、中部大学、福井大学、東京大学が共同開発している月測位衛星「LunaCube(6U CubeSat)」も展示されていた。月測位システムは、月面で位置情報を測定する技術で、いわば“月面版GPS”のようなもの。JAXA(宇宙航空研究開発機構)、NASA(米航空宇宙局)、ESA(欧州宇宙機関)が共同で検討を進めている。ただ、測位信号については、相互運用性確保に向けて現在も周波数や変調方式を調整中のため、標準規格がまだ存在しない。そのため、周波数/変調方式を柔軟に変えられるSDR技術が、開発や評価に必要になる。

 そこで、LunaCubeでは、ADIのSDR対応トランシーバーである「RFアジャイル・トランシーバー」の「AD9361」を用いたモジュールを採用した。具体的には、AD9361や、AMDの「Zynq 7000 SoC」を搭載したSOM(System On Module)「ADRV9361-Z7035」を、ADIのアライアンスパートナーであるマリモ電子工業が開発し、そのSOMを用いている。「月測位システムで、どのような周波数や変調方式が採用されても、スピーディに対応できるようにしている」(マリモ電子工業)

「LunaCube(6U CubeSat)」の外観
「LunaCube(6U CubeSat)」の外観[クリックで拡大]
「ADRV9361-Z7035」を搭載したモジュールADRV9361-Z7035の評価基板 左=「ADRV9361-Z7035」を搭載したモジュール。これが、LunaCubeに組み込まれる/右=ADRV9361-Z7035の評価基板[クリックで拡大]

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