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群雄割拠のチップレット 「理にかなった」戦略をとっているのは?この10年で起こったこと、次の10年で起こること(88)(2/4 ページ)

2024年、「チップレット」というキーワードがメディアで何度も取り上げられた。ただ、当然だかチップレット化が全てではなく、ベストなソリューションというわけでもない。今回は、2024年に発売された製品/プロセッサを分解し、チップレットが理にかなった方法で適用されているかを考察してみたい。

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イヤフォン分野でもSIP化が競争の軸に

 図3は2024年9月に発売されたAppleのワイヤレスイヤフォン「AirPods 4」の様子である。Air Pods 4はANC(Active Noise Cancellation)機能の有無で2機種同時に発売されているが、内部構成は2機種ともに同じものとなっている。内部はドライバー、電池、SIP(System In Package)で構成されている。小指の先ほどのSIP内には8個のシリコンとオシレーターが収納されている。メモリ、アナログ、センサー、通信、プロセッサ、パワーと言った半導体の5大要素が全て収納されている。いずれも機能はやや異なるが市販汎用チップが存在するので、体積を比較した場合、SIP化することで約8分の1を実現できている。SIP化なしでは高度なワイヤレスイヤフォンは実現できなかったわけだ。

図3:「AirPods 4」のメイン基板
図3:「AirPods 4」のメイン基板[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 表1はAppleやソニー、Samsung Electronicsのハイエンドワイヤレスイヤフォンの様子である。いずれもSIPを活用している。通信、プロセッサ、メモリ、電源系、電池系などの多くのチップがSIP内に収まっている。シリコンだけでなく、パッケージング技術の進化が高度なワイヤレスイヤフォンを実現する礎になっているわけだ。中国半導体メーカーもSIPを用いている。1つのパッケージの中に4〜5個のシリコンを収納し、高度な処理を行う事例が2024年は劇的に増えている(AnkerやHuaweiの製品)。シリコンに加えてパッケージ化がイヤフォン分野でも技術の競争軸になっているというわけだ。

表1:ハイエンドイヤフォンで採用されているSIP
表1:ハイエンドイヤフォンで採用されているSIP[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

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