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電力損失15%減、三菱電機が第8世代IGBT搭載産業用モジュールを公開:第39回 ネプコン ジャパン(2/2 ページ)
三菱電機は「第39回 ネプコン ジャパン -エレクトロニクス 開発・実装展-」に出展。パワーデバイス事業の戦略を紹介したほか、開発中の8インチSiC-MOSFETウエハーや新開発の第8世代IGBTを搭載した産業用モジュールを展示した。
電力損失を15%低減、第8世代IGBT搭載モジュール
シリコン(Si)製品についても、大口径化に対応した生産ライン整備やラインアップ拡充を続けている。
新開発の第8世代IGBTを搭載した産業用モジュール「CM1800DW-24ME」は、2025年1月14日に発表したばかりの製品だ。太陽光発電などの再生可能エネルギー用電源システムに向ける。
第8世代IGBTはSDA(Split Dummy Active)構造によってdv/dt値を低減してスイッチング速度を上昇させたほか、CPL(Controlling carrier Plasma Layer)構造の採用でターンオフ過電圧を低減し、チップの薄膜化で特性を改善したものだ。電力損失は第7世代IGBT搭載の従来品と比べ、約15%削減した。
外形パッケージは従来品と同じLV100タイプでありながら、定格電流は第7世代の最大1200Aから1800Aまで向上している。
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