ニュース
1チップで停電時にも回転数を記録 ADIのマルチターンセンサー:既存センサーから置き換えるだけ(2/2 ページ)
Analog Devices(ADI)は、磁気抵抗に着目した高性能の磁気センサー開発に注力している。磁気センサーは市場規模が数十億米ドル規模と大きく、既に多くの領域で導入されているため、独自技術や性能の高さによって差別化を試みているという。中でも特徴的なのは、電源喪失時にも回転数と角度を検知する磁気位置センサー「ADMT4000」だ。
従来のセンサーに置き換えてコスト削減
以下の動画は実際の製品を用いたデモの様子だ。電源コードをつないだ状態でハンドルを回すと、左側のディスプレイに回転数が記録される。電源コードを抜いてさらにハンドルを回し、再度電源コードを接続すると、電源喪失後も含めた正確な回転数がディスプレイに表示された。
「ADMT4000」を用いたデモの様子
Nau氏は「モーターはもともと位置センサーを搭載している場合が多い。そこにさらに追加するのではなく、従来のセンサーをADMT4000に置き換えるだけで済む」としている。
ADMT4000は1チップのソリューションであるため、バックアップ電源などを含む従来のソリューションに比べてシステム/メンテナンスコスト、重量や大きさを削減できるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
電源オフでも回転数記録するセンサーで、ロボットの復旧迅速に ADI
Analog Devicesはドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大級のエレクトロニクス展示会「electronica 2024」において、電源オフでも磁気システムの回転数を記録できる磁気回転数センサー「ADMT4000」を用いた産業ロボットのデモなどを紹介した。弱小メーカーの域を出られなかったFlex Logix ADIが密やかに買収
2024年11月、Analog Devices(ADI)がFlex Logixを「こっそり」と買収した。両社から何もアナウンスがないというのも、なかなかに珍しい。今回は、Flex Logixがどのような会社で、どのような製品戦略をとってきたのかを、じっくり解説する。3社統合で「ユニークなパワー製品」の開発に勢い ADI
Linear Technology、Maxim Integratedの買収を経て、Analog Devices(ADI)はパワー関連事業を加速させている。同社のMulti-Market Power Business Unitでコーポレートバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるJen Lloyd氏が、3社が統合したことで強みを増したパワー関連の主力製品を紹介した。磁気センサーの磁気分解能を従来の1000倍以上に
アルプスアルパインは東京大学の研究グループと、トポロジカル材料を用いた磁気センサーの開発を始めた。両者の技術や人材を融合することで、従来に比べ1000倍以上の磁気分解能を持つ磁気センサーの開発が可能とみている。シールド不要の磁気位置センサーで自動車電動化を推進 ams OSRAM
自動車の電動化トレンドが加速する中で、位置センサーのニーズが高まっている。磁気位置センサーの開発に注力するams OSRAMに、同社製品の特徴について聞いた。