Rapidus、半導体設計支援のQuest Globalと提携で顧客獲得へ:エンジニア500人派遣も検討(1/2 ページ)
Rapidusは2025年3月25日、シンガポールを拠点に半導体の設計支援などを行うQuest Globalと協力覚書(MOC)を締結した。Quest Globalの顧客はRapidusの2nm GAA(Gate All Around)製造プロセスを利用可能となる。Rapidusは協業を通じて顧客開拓も目指す。
Rapidusは2025年3月25日、シンガポールを拠点に半導体の設計支援などを行うQuest Globalと協力覚書(MOC)を締結した。これによってRapidusはQuest Globalのファウンドリーパートナーに加わり、Quest Globalの顧客企業はRapidusの2nm GAA(Gate All Around)製造プロセスを利用して半導体を設計/開発できるようになる。Rapidusは協業を通じて顧客開拓を目指す。
「RUMSモデル」の要となるデザインハウス
AI学習で必要とされる計算量が急速に拡大し、先端半導体の需要が高まる昨今、Rapidusは開発スピードによって他社との差別化を目指している。
同日の記者会見に登壇したRapidus 社長の小池淳義氏は、Rapidusが前工程/後工程/設計ソリューションを相互に連携させる「RUMS(Rapid and Unified Manufacturing Service)」モデルを構築していると説明。「かつては設計から後工程まで1社で行う垂直統合型デバイスメーカー(IDM)が主流だった。現在はファブレス/ファウンドリー/OSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)による水平分業に移行している。RUMSモデルはパートナーと連携して設計から後工程までのエコシステムを構築することで、トータルサイクルタイムを短縮できる」と述べた。
RUMSモデルのエコシステムはEDAベンダーや装置/材料メーカーなど多くのプレイヤーからなるが、小池氏は中でも設計を担うデザインハウスが重要だとし、Quest Globalに期待を寄せた。
「AIチップの顧客との関係には、開発のスピードとアジャイルが極めて重要だ。スピードを2倍、3倍にし、フィードバックの回数も2倍、3倍にする。その原点になるのがデザインハウスだ。Quest Globalは設計に強みがあり、顧客に合わせた『テーラーメイドシリコンチップ』を手掛けている。RapidusとQuest Globalで手を組んでTTM(Time To Market)の短縮を進めていきたい」(小池氏)
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