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「SDV実現の鍵」車載RISC-Vマイコン開発でInfineonが狙うものローエンドからハイエンドまで(2/3 ページ)

「RISC-Vはソフトウェア定義車(SDV)実現の鍵だ」――。Infineonはドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2025」において、数年以内のローンチに向け開発を進めるRISC-Vベース車載マイコンによる狙いや計画について紹介した。

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Quintaurisの役割

 車載RISC-Vマイコン実現のためには、全ての必須/オプションの拡張機能が含まれる定義済みのプロファイルおよび、特定のアプリケーションのニーズに対応するマイコン固有のプロファイル構成、そして安全性とセキュリティの観点からこのシステムIP(Intellectual Property)を認定可能なプラットフォームに統合する必要がある。説明担当者は「ここでは、Quintaurisがその手助けになる」と説明した。

 Quintaurisは、2023年にInfineonの他、Robert BoschやNXP Semiconductors、Nordic Semiconductor、Qualcomm Technologiesらと共同出資し設立(後にSTMicroelectronicsも参加)した、RISC-Vベース製品の商業化を加速するための合弁会社。同社はまず車載向けをターゲットとしていて、2025年3月には、車載アプリケーション向けにカスタマイズされた初のRISC-Vプロファイル「RT-Europa」も発表している。

車載RISC-Vマイコン実現のためにはQuintaurisとは 左=車載RISC-Vマイコン実現のためには/右=Quintaurisとは[クリックで拡大] 出所:Infineon Technologies

エコシステム構築を進めるInfineon

 Infineonは、車載RISC-Vマイコンのエコシステム構築を進めている(下図)。まずコンパイラとデバッガーの観点から、パートナー企業がInfineonの定義するアーキテクチャにポートフォリオを適応させるための基盤を構築。そして、既にSynopsysのツール群をベースとした仮想プロトタイプキットを用意している。

 説明担当者はさらに「当社としてはIP非依存を推進するのも重要だ。われわれは独自のソフトウェアドライバーに加えて、オープンソースおよびレガシーサポートも進めていく。これは、自動車業界で開発されてきた従来の標準を超えたオープンな開発領域を創出することを意味する。そしてさらに、さまざまなアプリケーションに必要な拡張を進めていく」と強調していた。

Infineonの車載RISC-Vマイコンエコシステム構築の方針[クリックで拡大]
Infineonの車載RISC-Vマイコンエコシステム構築の方針[クリックで拡大] 出所:Infineon Technologies

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