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関税よりはマシ? 米国でのチップ生産を表明したNVIDIAとAMDTSMCアリゾナ工場で製造開始(3/3 ページ)

NVIDIAとAMDは2025年4月、TSMCのアリゾナ工場でチップの製造を開始すると発表した。トランプ政権の“先行き不透明な”関税政策に対処するためとみられる。アナリストらは、今回の関税政策により、米国で使われる半導体の大半が米国で製造されるようになる可能性もあると指摘する。

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注文がオーバーフロー状態に?

 TSMCアリゾナ工場の先端ノード生産能力は、同社の台湾の生産能力に比べ約20%にすぎないため、複数の顧客が「本格的な」ウエハー生産量を要求し始めた場合、米国工場では供給が追い付かない可能性があるとKoch氏は述べた。TSMCの顧客は最先端ノードにおいては依然として台湾に依存するだろうと同氏は付け加えた。

 「関税が本当に抜け穴なく施行されれば、ファブレスの顧客は間違いなくTSMCアリゾナ工場の生産能力を要求するだろう」とKoch氏はみている。

 米国にあるIntel Foundryの高度なパッケージング技術により、同社はTSMCに対して優位に立つ可能性がある。

 「TSMCは短期的には米国で先端パッケージングを提供できない」とKoch氏は述べる。「Amkorと計画している合弁の工場は、あと1〜2年は稼働しない。その間にIntelがニューメキシコの施設で先端パッケージング能力を提供できる体制を整える可能性はある」(Koch氏)

 TSMCは、NVIDIAやAMDなどのAIチップ設計者向けに、世界最先端のパッケージングのほとんどを台湾で製造している。Triolo氏は、アリゾナ州でNVIDIA向けに生産されるウエハーの大半は、TSMCのCoWoS(Chip on Wafer on Substrate)施設でパッケージングするために台湾に送り返されることになる可能性が高いと述べた。

 Moorhead氏は、高度なパッケージング部分を米国に移転することが目標だと語った。「米国でウエハーを製造し、パッケージングのために国外に送り、その後課税して送り返すよりはましだろう」(同氏)

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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