減収減益のルネサス R&D投資を継続し「本当の競争力を磨く」:米国関税で2Q予想は下方修正(1/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは、2025年12月期第1四半期(1〜3月)の業績(Non-GAAPベース)を発表した。売上高は前年同期比12.2%減の3088億円、営業利益は同297億円減の838億円だった。当期純利益は同326億円減の733億円だった。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2025年4月24日、2025年12月期第1四半期(1〜3月)の業績(Non-GAAPベース)を発表した。売上高は前年同期比12.2%減の3088億円、売り上げ総利益率は同0.1ポイント増の56.7%だった。営業利益は同297億円減の838億円で、営業利益率は同5.1ポイント減の27.1%だった。当期純利益は同326億円減の733億円だった。
米国関税で2Qの売上高予想を下方修正
ルネサスの社長兼CEOを務める柴田英利氏は市況について「自動車向けは慎重な状況だ。産業/FA(ファクトリーオートメーション)向けは在庫調整がおおむね終了し、非常に緩やかな回復局面にある。データセンター向けは相変わらず順調な成長が見えている」と述べた。
米国の関税政策によって市場の不透明感が増しているが、柴田氏は「関税による短期的なばたつきに一喜一憂しても仕方がない。こんな状況だからこそ、研究開発を中心とした中長期の取り組みにフォーカスしていきたい」「本当の意味での競争力に磨きをかけていきたい」とした。
続く第2四半期の業績予想は、売上高は3020億円、売上総利益率は55.0%、営業利益率は25.0%とした。これについて柴田氏は「米国の関税の影響はよく分からないが、心理的な影響も出るだろう。関税で単価が上がれば販売数量は減少すると考え、売上高の予想を5%ほど下方修正した」と説明した。
第1四半期の業績は、売上高は予想を0.1%下回ったが、売上総利益率と営業利益率は予想を上回った。売上高は、自動車向け事業でチャネル在庫が増えすぎないよう出荷を抑制したことで下振れたという。売上総利益率の上振れは、電力使用量の抑制や消耗品費の見直しといった製造費用の減少によるものだ。営業利益率は、売上総利益率の改善などによるものだという。
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